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A Foggy Night

大田乃有利(奥村幽子)
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※試聴版。オリジナル版(01:20)は購入後に視聴可能。

原稿を書き終え一息つこうとすると辺りが麗らかな空気感に変わりつつあった。忘れていた普通を取り戻したようだ。肌感覚も正常だ。再び文字を打ち始めると街へ出て目新しい材料を探したくなってきたが身体は動かないので駄目だった――。

待合野夕(まちあいのせき)の小説『終点のシノニム』に登場する大田乃有利こと奥村幽子が作曲したピアノ曲を配信中。


奥村幽子はある事件がきっかけで脳内のマインドマップに依存しながら暮らしていた。ある時、街に仕掛けが施されていると風説が流れる。存在も疑われるそれは人々を翻弄し人間シャッフル現象を引き起こす。現実がどれか区別できなくなった彼女は「私」と「私」が同時に存在していて――。

“「街の仕掛けが変わったらしいから調べた方がいい」意味深な言葉を言い残し部屋を後にした。奥村は最初何のことかわからなかった。しかし、じわじわと何かが浮き上がってくる。記憶の中から掬い上げるように、口に出してみた。”

現代社会に飲み込まれそうな若者やマイノリティへ送るミステリー小説。

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