かこさとしさん監修の越前市武生中央公園
<謝辞>
切欠を頂いた たじみDMO 小口様・田平様
ヒアリング調査にご協力頂いた 越前市都市計画課 佐々木様
まちのお話を聞かせて頂いた まちづくり武生株式会社 五十嵐様・山本様
大変お世話になりました。ありがとうございました。
2018年5月にかこさとしは亡くなられた。facebookでも書いたが、私の科学的興味は、かこさとしの絵本で少年時代に加速したことは間違いない。彼の絵本と出会ってなかったら、地球、自然に対する興味はこれほど大きくなかったと思う。
その加古里子(かこさとし)さんに詳細設計段階で構想を提供していただいた公園が、越前市武生中央公園である。
この公園は福井県国体(2018年実施)に向けて、テニスコートや体育館の老朽化による立て替えを始め、いままで機能の混在があった公共施設のゾーニングを公園のレイアウト見直しと同時に行われて、計画策定が行われた。そのなかには野球場を公園の広場に変えるという大きな変更もあった。
越前市武生中央公園再整備基本計画 ダウンロード(越前市HPより)
越前市都市計画課の佐々木さんの話によると近くにお住まいで、「たけふ菊人形」以外に全く利用されない公園が、今回の計画実施で市民の利用率があがり風景が変わったとのこと。
今の公園には、加古里子絵本に登場するキャラクターや、それに係わるイメージがあちこちに隠してある。地元の絵本作家として、彼の絵本に親しんでいる地元キッズやその親にはとても親しみがわく公園になっている。
一番初めの変化は、図書館が移転されたことである。そばには「ごはんカフェ ハグモグ」が併設され、親子連れや子育て世代の利用が促進される仕組みがある。また敷地内には駐車場が各エリアにあり、どの施設にもアクセスしやすくなっている。
大きな駐車場を持つスターバックスも敷地内にある。
国体以降に2020年には老朽化していた競泳用プールの建て直しをPark-PFIで公募された。現在は建築会社、スポーツジム、スイミングスクール、アミューズメント施設運営会社等の6つの会社で構成される事業共同体「TCP共同事業体」で屋内プール、屋内遊技場、スポーツジム、中書場などの運営を行っている。
公園には、加古里子絵本に登場するキャラクターや、それに係わるイメージがあちこちに隠してある。地元の絵本作家として、彼の絵本に親しんでいる地元キッズやその親にはとても親しみがわく公園になっている。
公園まわりの新しい店舗の一部
文房具雑貨店
HORITA LIFE CANVAS
住宅メーカーモデルハウス
https://www.instagram.com/boulangeriepainparc/ (BOULANGERIE Pain Parc)
私も様々計画を読んできたり、支援してきた。その中には、公共施設の集約化による人流の発生・増加と書かれた物が沢山ある。
この武生中央公園の再整備は、年間120万人の利用をがコロナ前に記録されている。コロナ禍においても100万人/年の利用者数だった。
人口8万人の都市において、驚異的な数値である。その後、この武生中央公園の周りには、カフェや雑貨店、モデルハウス(建築会社)など、公園の敷地周辺に民間の出店がゆっくりだが増加している。今後民間の出店がこの周辺に生まれてくれば、面白い場所に変わってくると思う。また周囲が住宅地でもあるので、職と住一体型の小商いアパート(集合体)なども生まれやすい環境とも言える。
商店街のお手伝いを行っている自分の考えを少し、聞いてほしい。
現在の商店街は、物販などを中心にしたインフラが長い時間をかけて構築されてきた。
しかしその事業を継ぐものがいない、そして他者への承継がうまくいかない例が多い地区や、元々商店が散らばっており、組織化されてない地域などは、社会資本である公共施設の集約化を本気で考え、ゾーニングや市場ニーズを加味して、エリアの構成を計画していくと、大きな人流になる区画が生まれてくる可能性がある。(もちろん加古里子さんのような人の意見も必要だが、自分たちで市民に必要とされるニーズと少し先の未来を考えた提案が計画には必要。)
区画整備の数年にかけて、一部リーシング計画と起業者支援をじっくり行い、平行して、新たな商業区画のミニ開発等を考えていけば、使いやすいコンパクトなまちづくりが、人口の少ない地域でも可能ではないかと考える。
私が訪れた2023年7月7日はまちづくり会社と協力して、駅そばに新しくできた市庁舎でキッチンカーのイベントが行われていた。
キッチンカーで起業する人や、新しい事業にチャレンジする起業家が増えていると思う。コロナ禍を脱した今、むずむずしてる人たちが多いだろう。そのチャレンジャーを育てながら(まちづくり武生株式会社ではキッチンカーの支援をしていると聞きました。)、時代のニーズにあった人流の作り方を常に考える必要がある。
言い忘れたが、既存の商店街の中にこのような施設があれば、それはそれで最高でだろうと思う。
旅の終わりはやっぱり食事。
帰りには、沿岸沿いの食堂で頂きました。
2023年7月 梶岡誠生
この記事は「結実計画会議」(A4の4ページの新聞)に掲載されています。その他の記事、またはnoteに記載されていない記事を楽しみたい場合は、https://ketsujitu.glide.page/ の「BackNumbers」から「バックナンバーが欲しい!」をクリックしてフォームで請求ください。時間はかかりますが、送付されます。