
立川 GreenSprings
元々、地元の方々が言う「IKEAの前の野っ原」の場所を買い、地元不動産会社が中心となって「well-being」をテーマとした複合施設が立川GREEN SPRINGSです。
場所は、JR立川駅から750m。途中ルミネや多摩モノレール、立川北駅を通ってゆきます。モノレールを青空に見上げながら、緑の多い歩行者道を抜けて歩いて行くと、左手に商店街のようなおしゃれな路面店が多く連なっています。カフェやレストラン、生鮮食品、自転車、キャンプ道具、パソコン、お酒、と様々です。




二階へ上がると、空中庭園が全体に広がっています。モノレールの下が大きな歩道帯であることや西側に広がる公園のためか、散歩に適した緑地帯になっています。中には、四阿(休憩スペース)やテーブルや椅子、ベンチも配置され、その左右に店舗やギャラリー、飲食店などが配置されています。更に現代アートのインスタレーションも多くあり、まさに心地よい空間です。


QRコード:小型カメラで撮影したGreenSprings。↓

空中庭園
空中庭園とは、建物や橋などの高層部に設けられた庭園のことです。高層ビルの屋上や、高架橋の上などに造られ、都市の中で緑の空間を提供する役割を担っています。空中庭園は、都市の景観を彩るだけでなく、緑化効果や気温の調整など、都市環境の改善にも貢献しています。また、空中庭園は、都市のストレスを癒す場所としても注目されており、多くの人々に利用されています。
植物にもこだわりが多く、シェードプラントの多くの種類が下草に植えられ、ビオトープエリアなども設けられています。
空中庭園の先には、芝生があり、その先には文化ホールがあります。
このエリアを購入するに当たってはいくつかの規制があったようです。そのひとつが住宅を建てない。横田基地と自衛隊立川飛行場の制限による建物の高さ制限、そして文化施設の設置というものだったそうです。
確かに低層で良くまとまっており、起業支援や、オフィス、高級ホテル等も入りながら、日常使いに、住民が気持ちよく休める空間でもある。気持ち的に豊かになった感じがします。
これこそが、素晴らしい空間作りでしょう。是非一度見に行かれると良いと思います。
2019年の立川駅前再開発フォーラムでは、プロジェクトチームが目指すタウンマネジメントは、「創造性」「参加性」「持続性」と謳っていらっしゃいました。そして「ただデザインをよくして、箱を作るだけでなく、地域の人たちが根付けるようにしたい」という思いを語ってらっしゃいます。(「多摩っぷHP」より。https://tamap.tokyo/greensprings-kanseigo-wellbeing/)
視察の感想は、素晴らしい空間作りだと感じました。本当に驚くような街区を民間企業が作ったことに感心しました。なんとも過ごしやすく、この辺りに、他にどんなものがあるんだろう?、ちょっと引っ越し考えると思う家族も多いと思います。
この視察で気づかされたことのひとつが、素晴らしい空間作りをかなえたプロジェクトチームがフォーラムで語った創造性、参加性、持続性のあるエリアに変えていく、仕掛け作り、そしてシステムをつくることが、タウンマネジメントなんだろうと感じたことです。良い空間、過ごしやすい空間のなかで、よりエリアと密着した仕事づくり、人作り、そして持続性のあるエコサーキュレーションの実現が必要なんだと思います。
この様に考えると、街区の空間作り等の都市開発と、人材やシステム作りなどのタウンマネジメントは、両輪としてなくてはならない物である事が、分かりやすくなると思います。現在の商店街では、都市空間を意識せずに集合体として、出来上がった場所が多く、(猥雑感はそれでもいいよね!笑)また、全体を通したソフトウェア開発も行われていない状況が続き、まばらに独立した店舗が点在している事が多いです。
既存のものを矯正しながら行うマネジメントは大変ですが、入れ替わりなど、チャンスが来れば、一区間からでもリノベーションや小型再開発による街のリーディング事業として進め、その街(商店街など)を変えていくチャンスはあると思っています。
GREEN SPRINGSでは、まっさらの街区ができあがり、その空間の素晴らしさ、そして今からのタウンマネジメントに期待し、心がウキウキしました。一見の価値あり。(元ランドスケーパーより)
2023年5月 梶岡誠生
この記事は「結実計画会議」(A4の4ページの新聞)に掲載されています。その他の記事、またはnoteに記載されていない記事を楽しみたい場合は、https://ketsujitu.glide.page/ の「BackNumbers」から「バックナンバーが欲しい!」をクリックしてフォームで請求ください。時間はかかりますが、送付されます。
参考資料