EPSON ハンドヘルドPC HC-20の修理6
ダイオードの故障について
故障の仕方で症状が違いますが私が遭遇した故障は短絡故障(いわゆるショート)でした。
回路図中のZD7 6.8FB1と記載のある部分です。
ここがショートするとご覧になった通りD2のダイオードとR1の2W 3.9Ωの抵抗を経由して直結している状態になります。
ダイオードと抵抗を通った後の電流はというとそのまま熱に変換されるので上の写真で言うところの水色の大きい抵抗がめちゃくちゃ熱くなります。
もちろん電源は入れませんがACアダプタを挿しただけで発熱開始となるので気づかないとACアダプタや他の部品も損傷しかねません。
私の場合はたまたま抵抗を指で触ったままACアダプタを繋いだので火傷という形で気づくことができました。
まあ、気づけただけよかったです。
この程度の火傷はほっといても治りますからね。
今回の交換対象は
上の写真の右下、ZD7と書いてある足の太いダイオードです。
記載が6.8FB1なので多分6.8V 1Wのものだろうと思うので千石電商で同等品を買ってきました。
合っているかどうかはわかりませんが多分問題ないでしょう。
ちなみにこのダイオードはつけていなくても動作自体はするので確認のみならばツェナーダイオードなしでも大丈夫だと思います。
※推奨は絶対にしません
ダイオードの壊れ方について
ちなみに火傷したので気づけてよかったですがこれは壊れ方がよかったということだと思います。
そこでダイオードの壊れ方について書いておきます。
今回の故障はいわゆる短絡(ショート)故障と呼ばれるもので常に電流が流れるタイプの故障です。
ただ、なぜこのような壊れ方をするのかについてはこちらの記事がわかりやすいと思いますので参考にどうぞ。
ACアダプタを挿しただけでみるみる熱くなる
のでこれはやけどで済んでよかったなと思います。
深刻なダメージや火災などにならずに済んだだけよかったということでよしとしましょう。
部品の交換が完了したら
おおよそGNDの導通をチェックしていよいよ電源を入れますがACアダプタについて純正をお持ちでない方は安定化電源で5V 0.2Aをバッテリ端子に繋ぐかもしくは6V 0.6Aや9V 0.65Aのスイッチング電源を使用しても構いません。
バッテリなしで使用する場合はなんでもいいですがバッテリを換装する場合はACアダプタを用意した方が良いでしょう。
その場合はセンターマイナスのACアダプタなんてあまり売ってませんから先を切って逆に付け直すなどの対応が必要です。
私の場合はこちらの資料(HX-20 Tips and Tricks)を参考に作成しました。
2W 12Ωの抵抗を挟んで取り付けています。
バッテリの充電電流に合わせて抵抗を変える必要がありますのでバッテリを作成される方は注意してください。
すいっちおおぉぉぉぉぉぉぉぉんんんん!
の瞬間です。
電源を入れるとピピッ!っという音(ラジャービープというらしい)が鳴り起動画面が表示されます。
修理後のこの音のために頑張った感じがします。
念の為にRAMの容量も確認しておきます。
BASICを起動して?FRE(0)と入力すると12891(Byte)と表示されます。
ここまでで基本の修理は完了です。
皆さんも手に入れた際や不動品となってしまった場合は修理にチャレンジして見てください。
まだ書いていないことはあれこれありますがひとまずここで区切りとさせていただきます。
こちらのページが参考になれば幸いです。