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EPSON ハンドヘルドPC HC-20の修理3


令和にHC-20を買う時の注意

レトロPCに関してはどれも同じようなことが言えますが、HC-20を今買う場合でも注意すべき点があります。
ここではヤフオクで気にした方がいいことについてお話しします。
まず、動体については基本出てこないと思った方が良いです。
また最近では不動品でも高くなる傾向があるので最低でも5000円くらいはかかるものとお考え下さい。
ある程度見た目が悪くてもきれいにすればそれなりに思えてくるので買うときは写真ベースでよほど割れているとか大きな傷がなければ大丈夫だと思います。
ということで購入した個体ですがこんな感じです。

購入した個体、これは良い方です

LCDのビネガーシンドロームが気になりますが、まあこんなもんでしょう。
案外綺麗でした。この個体は6000円程度です。
ケースが付属していましたが粘着剤か何かのネバつきと汚れがすごかったので綺麗に磨いておきました。
では修理に入るのですがここで修理初心者の方が気をつけた方がいい注意点があります。

買ってすぐ絶対に電源は入れないこと

注意して欲しいのはヤフオクでもよく「通電しませんでした」などの記載がある場合がありますがほんとかな?とか言って電源を入れたりしないことです。
PCに限らず、例えば軒先に数十年放置してある旧車があったとしていきなりエンジンをかける人はあまりいないと思いますが届いた段階で電源を入れることはしないほうが良いです。
後にさらに深刻な故障を招く恐れがありますし場合によっては発煙・発火の恐れもあります。
電源なんて修理後にいくらでも入れればいいことですから今の段階では電源を入れる必要はありません。
まずはケースを開けて状態を確認しましょう。
ネジは画像の通り7箇所のネジを外して開けます。

外すネジの場所(7箇所)

ネジを外したらひっくり返してください。
ひっくり返したら奥から手前に引き起こす感じで開けます。

ただし、ここでも注意です。

カバーの開け方

赤丸の位置にフラットケーブルがありますので勢い余って開けてしまうとフラットケーブルが切れる恐れがあるので注意してください。
手が入るくらい開けるとLCDしたのフラットケーブルコネクタが見えてきます(下図赤いバッテリーの下の黒いコネクタ)のでコネクタの両端を爪などで引っ掛けて真上にスライドします。
そうするとかんたんに抜けますので抜いたらそのままパカっとクラムシェル状に開きます。

開いた状態(左が上部、右が下部)※実際にはカバーがかかっています

ケースを開けて最初に確認するもの

さあやっとケースが開いたので色々と確認していきます。
ここまで来れば作業を中断してケースを閉じて片付けることができますのでいつでも再開できます。

「バッテリー」の有無を確認

まず確認すべきポイントはここです。
バッテリーがあるものについては「即刻外して捨てて」ください。
※電池回収の曜日や指定BOXなど電池の捨て方は各自治体の方法に従ってください。
そしてバッテリーが接続されてるコネクタなんですが高い確率で腐蝕しています。
よってコネクタごと捨てます。

これもそうですがコネクタの中に腐ったピンが入ったままです、こやつを見かけたらすぐさま捨てます

上の写真のようになっていてはもう使用できません。
こちらに関してはコネクタの中の金属接点部(ターミナルといいます)が残っていても腐食してかなり痩せ細っていますので仮に修繕しても接触不良を起こす可能性大ですので綺麗さっぱり捨てましょう。(一度修繕しましたがやはり接触不良を起こすだけなので残す意味は皆無です)
古いコネクタ部品を探すのも苦労しますし既存の入手性の高い部品で代替して付け直したほうがいろいろな面で楽なので私はそちらをお勧めします。

余談ですが、上の写真の黒いフラットケーブルのコネクタも廃盤製品となっていて入手不可能です。部品の形状や刻印から当時のメーカーを突き止めて問い合わせをしてみましたが生産完了で在庫もないそうです。(そりゃそうだ)ということでバッテリーを捨てたらもう一度バッテリー付近をよく見渡します。

バッテリーの液漏れ対策

バッテリーを外したらまずはバッテリーの液漏れ具合を確認します。
基板に付着している場合はアルコールに綿棒を染み込ませて根気よく拭き取ります。
かなりの確率でバッテリーのつながっていたコネクタ(CN9と書いてあるのでわかると思います)部分はバッテリーケーブルをつたって液が付着して大体腐食してます。

CN9のピン(外してあります)

この辺りをアルコール洗浄してバッテリー液を取り除きます。
他にもアルコール洗浄すべきところはたくさんありますが長くなったので次回にお伝えします。

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