自分の『幸福』を守りたいだけ

何だか、ぐらぐらする。

目眩とかそういう類ではない。

今自分が感じている『幸福』というものが
足元から揺さぶられているような
そんな気がするのだ。

ニュースで見聞きする出来事は
どこか遠いところのお話のように感じるし
悲しいとか辛いとか、そういう感情も
靄がかかったように、はっきりとは感じ取れない。
自分の心なのに。

私はいつも自分のことばかりだ。
今、この瞬間の、幸せばかり考える。
世界平和を願うような清い人間ではない。
ただ目の前の、手の届く範囲の
大切な人たちが幸せであってほしいと願い
その人たちの幸せのために何ができるかを考える。
本当に小さな世界で生きる、ただの人間である。

私が何より『幸福』に感じるのは
大切だと思っている人たちと
ケラケラと笑って過ごす時間。
その時間を奪われることが、私は怖い。
とても辛くて、悲しくて、悔しくて
耐えられない苦痛なのではないか、とさえ思う。

もしかして、今世界中で涙を流す人々は
こんな思いをされているのだろうか。
大切な人と過ごす『幸福』な時間を
天災で、戦争で、その他いろんな事情で
奪われてしまった人々なのだろうか。

あぁみんな、私と同じ人間・・。
だから明日は我が身かもしれない。
だから、怖いんだ。

今、世界がどんな方向に進んでいるのか全く読めない。
私は今、どんな渦中にいるのか
分からなくて不安だから、足元がグラついているように感じるのだろう。
このままふらついて倒れてしまわないように
私は私で、必死に耐えよう。
目の前の大切なものを、大切にすることだけに注力しよう。

そうすることしか、今はできない。