組織内の"セッター"に憧れていたけれど、意外と"リベロ"と相性が良かったという話。
チームで成果を出していくのが好きで、チームプレーのスタイルにも関心があったりする。そして、最近は社内のメンバーを漫画の登場人物に例えて、チームにおける立ち位置やプレースタイルを考えてみることに密かにハマっている。今回は、「ハイキュー!!」の登場人物に例えて話をしていた。
そんな私の憧れは、「ハイキュー!!」でいうなら、及川や影山だ。コート上のプレーヤーの特性や性格、コンディションを把握して、そのプレーヤーのパフォーマンスを引き出すような絶妙なトスを上げていく。その姿勢がたまらなくカッコいい。
「うーん、セッターというよりはリベロっぽいかな?」
セッターへの憧れを、ちょっと暑苦しめにしていたら、同僚から返ってきたのは、そんな言葉だった。
「リ、リベロ!?」
正直、結構意外だった。
リベロと言えば「守りの最後の砦」。組織に例えるならば、リスク管理やコンプライアンスみたいな感じだろうか。
「仲間の潜在的なパフォーマンスを最大限引き出す」という憧れていた姿となかなかのギャップがあって、正直うーーーんという感じだった。
ただ、しばらく考え続けているとそんな「リベロ」の姿が変わって見えてきた。
学生時代の終わりから会社で海外赴任するまで長らくお世話になっていた子どもキャンプのボランティアをやっていた時のことがふと頭をよぎった。
そう言えば、めっちゃリベロっぽいことをやっていた。
それも仲間の潜在的なパフォーマンスを最大限引き出すことを意識しながら。
キャンプのボランティアメンバー(通常は3人1組で10人程度の子どもたちを見る)の特性や状況を見ながら、その場その場で一番手薄なところをカバーする。他の2人が思いっきり得意なところを発揮できるように。
振り返ってみると、これってすごくリベロ的な意識であり、動き方だったなと。
「守りのための守り」みたいなイメージを「リベロ」に対して思っていたけれど、「仲間が思いっきりプレーできるようにするための守り」と考えてみると、全然悪くはない。
これって、もともとセッター的な動きで果たしたかった「仲間の潜在的なパフォーマンスを最大限引き出す」と同じだからだ。トスを上げるのか、レシーブをするのか、そのプレーが違うだけだ。
そして、レシーブするのは、リスクやコンプライアンスだけじゃないということにもふと気がついた。仲間ひとりひとりの「頑張り」だったり、「想い」だったり。時々みんなの視野からスポっと抜けて、知らぬ間にコートに落ちてしまうものだ。
私だって似たような想いをしたことがあるけれど、自分が大事にしてきた「頑張り」や「想い」というボールが、誰にも気づかれずコートに落ちてしまったときほどやりきれない想いはない。
仲間がそういう想いをしないように、安心して思いっきりプレーできるように。全体を見落として、落ちてしまいそうなボールを全力でレシーブしていく。
そう思うと、リベロがとても性に合う気がして、ワクワクしてきた。
組織内でのリベロ、極めていきたい。