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シンガポールのコンドミニアム選び完全ガイド②:実際のコンドミニアム選びに必要な条件設定と選び方のコツ

シンガポールに引っ越す際、最初にぶつかる大きな壁の一つが住まい探しです。「どのエリアが住みやすいのか?」や「予算内で理想の物件を見つけられるのか?」など、特に初めての海外赴任や引っ越しの際は不安がつきものです。中でも「コンドミニアム選び」は、快適な生活を支える重要なポイント。豊富な施設、充実したセキュリティ、便利な立地など、選び方を誤ると後悔することもあります。

私自身、シンガポールでの住まい探しを繰り返し経験してきました。最初は情報が少なく、適切な物件を見つけるのに苦労しましたが、経験を積むうちに効率よく希望に合った物件を見つけるコツを学びました。この経験を元に、これからシンガポールで住まいを探す方々に向けて、コンドミニアム選びの基本とポイントをお伝えします。

この記事は2部構成で、前回は「コンドミニアム市場の概要」を紹介しました。

後編では、実際に物件を選ぶ際の具体的なポイントを詳しく解説します。これから住まい探しを始めるあなたにとって、役立つ情報が満載ですので、ぜひ最後までお付き合いください。

この記事を読めば、以下のことがわかります:

  • コンドミニアム選びで重視すべき条件

  • シンガポールでの住まい探しの注意点

  • 物件探しに役立つサイトやアプリ

  • 物件内覧や契約時に気をつけるべきポイント

これらの情報を元に、シンガポールでの住まい探しをよりスムーズに進めるための基盤を作りましょう。

それでは、理想の住まいを見つける第一歩を踏み出しましょう!

2. ライフスタイルに合ったコンドを探す条件設定

1. エリアの選定

予算と職場・学校への交通利便性を考慮してエリアを決めることは非常に重要です。特にお子さんがいる場合、スクールバスが利用可能なコンドミニアムを選ぶことも大切なポイントです。また、エリアごとに家賃相場が大きく異なるため、交通の利便性と住みたいエリア、そして予算をうまくバランスさせることが必要です。自分たちのライフスタイルに合った場所を選ぶために、これらの要素を慎重に天秤にかけて決定しましょう。

2. 譲れない条件の設定

シンガポールでの家選びは、単に住まいを決めるだけでなく、日々の生活の質にも大きな影響を与える重要な決断です。エリアを決めた後は、自分たちのライフスタイルに合った譲れない条件をしっかり定めることが、快適でストレスの少ないシンガポール生活を実現するための第一歩になります。シンガポール特有のコンドミニアム事情や、避けるべき問題を理解し、それに合わせた条件を見極めることが必要不可欠です。本章では、私の実体験をもとに、家選びでこだわるべきポイントを順を追って紹介します。

1. 部屋数と間取り

シンガポールで家を選ぶ際、家族構成に合わせた部屋数(ベッドルーム数)は最優先で決めましょう。また、友人を招くことが多い方には、広めのリビングがあると、部屋が広々と感じられ、みんなでゆったり過ごしやすいです。キッチンの配置にも注意が必要です。リビングと一体化したキッチンは、子供が遊んでいる時に便利ですが、匂いが気になる場合は独立型の方が良いかもしれません。ただし、独立したキッチンにはエアコンがないことが多いため、夏の暑さが気になる方はその点も考慮しましょう。

2. ダストシュートの位置 (G対策)

これが2番目に来るのは意外に思うかもしれませんが、ダストシュートの位置は虫(G)の発生にも関わる重要なポイントです。虫が苦手な方には、外にダストシュートがあるタイプをお勧めします。屋内タイプは便利ですが、周りを清潔に保っても、運悪く虫が現れることがあります。外にあるタイプには、敷地内にあるものと共用部にあるものがあり、現在私の住むコンドは敷地内のものです。ごみ捨ては簡単ですが、年に1回くらい部屋の外に虫が現れます。虫が本当に嫌な方は、共用部にあるタイプが安心です。私は内覧時に現住民が同席する場合、必ず虫が出るかどうかを確認しているので、気になる方は事前に確認することをお勧めします。

↑実際のダストシュートに関する記事。室内にある場合は封じているご家庭も。

3. 周辺環境と交通機関

物件選びでは、周辺に買い物ができる場所があるか、駅やバス停までの距離も重要です。特に子連れの場合、近くにスーパーマーケットやショッピングモールがあると非常に便利です。私も現在、スーパーが入ったモールが近くにあり、急な買い物や子供の必要品をすぐに手に入れられるので大変助かっています。単身の場合でも、自炊の頻度やフットワークの軽さに応じて、スーパーや飲食店の近さを重視するのがオススメです。実際、単身駐在員時代、激務で車通勤だったため、帰宅後に少し距離のある場所まで買い物に出るのが面倒で、Grab Foodをよく利用し、浪費してしまった苦い思い出があります(笑)。

駅からの距離も重要で、MRTが近い物件は便利ですが、シンガポールはバスも発達しているので、バス停が近ければバス移動も十分です。また、最寄りの駅やバス停まで屋根伝いで行けると、特に小さなお子様連れのご家庭にとっては、雨の日でも快適に移動できるので便利です

4. 築年数と維持管理 (トラブル対策)

シンガポールでは、新築以外の築10年以下の物件がオススメされることが多いですが、意外に思うかもしれません。新築を避ける理由は、シンガポールの物件は不具合が多いため、新築だと自分たちで多くのバグ対応をしなければならないからです。築年数が10年以上でも、手入れがしっかりされていれば問題ないことが多いです。私自身、築10年、15年、20年超の物件に住んだことがありますが、15年ほどの物件であればちゃんと手入れさえされていれば、古さをあまり感じませんでした。しかし、20年以上経過した物件はリノベーションしても隠しきれない古さを感じることがあるので、少なくとも築年数が20年以下の物件が最適だと個人的には思います。

↑実際のトラブルに関するGo-Relax@Singaporeさんの記事。これはあるある。

5. 高層階 vs 低層階 (排水溝トラブル対策)

高層階が好まれる理由として、眺めや夜景が挙げられますが、正直なところ、夜景はしばらくすると飽きてしまうことも(笑)。よほどこだわりがあるか、女性に自慢したい単身男性でなければ、そこまで重視する必要はないと思います。しかし、低層階でも最も低い住居階(例えば3階から住居が始まる場合の3階)には注意が必要です。最低層階の物件では、排水管トラブルが発生しやすく、特に大雨時や配管の詰まりが原因で、汚水が逆流する問題が起きることがたまにあるため、避ける方が無難です。

6. 家具・家電の有無 (Partially furnished or Fully furnished)

住まい選びにおいて、家具や家電の有無は非常に重要な要素です。同じ部屋でも、家具一つで印象が大きく変わります。Fully furnished(家具家電付き)物件では、生活に必要な家具や家電がほぼ完備されていますが、Partially furnished(家具家電一部付き)物件では、日本の物件と同様に、すべての家具や家電が揃っているわけではありません。そのため、必要に応じて自分で家具を追加する必要があります。

とはいえ、家具や家電がついている物件でも、オーナーが選んだアイテムが安っぽかったり、使いにくかったりすることがあるため、事前に確認しておくことが大切です。見た目や機能性にこだわりがある方は、自分好みの家具や家電を選ぶ自由も重要なポイントです。

もし、家賃が会社の予算より低ければ、その差額を家具レンタルに充てる契約をすることも可能です。家具レンタルをうまく活用すれば、自分の好みに合わせたインテリアを作り上げることができます。インテリアにこだわりがある方や、時間をかけてでも自分にぴったりの家具家電を選びたい方には、この方法が最も満足度の高い住まいづくりにつながるでしょう。

↑家具あり、家具なしに関する、不動産屋さんの記事。

7. 日当たり (カビ対策)

シンガポールの高い天井は魅力的ですが、その分、照明からの距離が遠くなるため、十分に部屋が明るくならないこともあります。見栄えを重視してお洒落な照明を選ぶオーナーも多いため、照明の効果が十分でないことも。そこで、日当たりの良い部屋を選ぶことをお勧めします。日当たりが良ければ、部屋全体が明るくなり、湿度が下がって物のカビが生えにくくなるため、より快適に過ごせます。特に高級な皮製品を使用している場合や、湿気を気にする方には、日当たりを重視することが重要です。

8. 収納スペースとボムシェルター

収納スペースは特に重要なポイントで、シンガポールのコンドミニアムではクローゼットが標準装備されていてもサイズが小さいことが多く、またキッチンが狭いとキッチン周りの収納が不足して困ることもあります。そのため、収納スペースのチェックは欠かせません。さらに、シンガポールのコンドミニアムにはボムシェルターが設置されている場合があり、このスペースをうまく活用することで収納が大いに助けられます。また、バスルームが2つ以上ある物件では、サブのバスルームを収納スペースとして使うこともでき、収納に困る心配が減ります。

↑実際のボムシェルターの記事。うちのボムシェルターは室内にあります。

9. 乾燥機の有無と、洗濯機のブランド

洗濯機や乾燥機は快適な生活に欠かせないアイテムです。特に乾燥機は非常に便利で、その実用性を実感しました。日本に帰国した際には、ぜひ乾燥機を導入したいと思っています。洗濯機や乾燥機のブランド選びも重要で、信頼できるメーカーを選ぶことが大切です。日系ブランドやサムスン、Miele、Bosch、Electroluxなど、評判の良いメーカーは壊れにくく、安心して使えます。一方、品質が不安定なブランドでは故障が多く、トラブルの原因となります(例えばBekoは要注意です。笑)。また、各人のこだわりに応じて、洗濯機の設置場所が屋内か屋外か、さらに洗濯物を干すスペースが十分にある物件を選ぶと、より快適な生活が送れるでしょう。

↑Bekoユーザーの口コミ。普通の洗濯機ですら当地ではよく壊れるが、Bekoは頻度がすごい。笑

10. キッチンの使いやすさ、水回りの匂いの有無

キッチンの使いやすさは、特に主婦にとって重要なポイントです。個々のニーズに応じて必要な設備が異なるため、ガスコンロかIHコンロの選択、シンクの大きさ、レイアウトなどを事前に確認しておくことが大切です。シンガポールの物件ではシンクが小さめに設計されていることが多いため、大きな鍋を使う予定がある場合は、シンクのサイズをしっかりチェックしましょう。また、食洗器が備わった物件もあり、シンクが狭い場合でも食洗器を活用すれば便利に使えます。シンガポールではMieleやBoschの食洗器が一般的で、予洗いなしでも食器を入れられるため、とても便利です。

さらに、キッチンを含む水回りの清潔さも大事ですが、匂いチェックも忘れずに行いましょう。汚れは洗えば落ちますが、排水溝の匂いはなかなか取れないことが多いため、嗅覚を鋭くしてチェックすることが必要です。

3. 必須ではないけどあると嬉しい条件

1. 付帯施設の充実

シンガポールのコンドミニアムにはプールやジム、BBQピットなどの便利な付帯施設が多く、家族のライフスタイルに合わせて選ぶことが重要です。例えば、プールがすぐに利用できる環境は日本ではなかなか体験できないので、子供たちを喜ばせることができますし、BBQピットやパーティースペースがあれば、友人との集まりや子供のバースデーパーティーも気軽に開催できます。BBQピットには炭火タイプとガスタイプがあるので、お好みに合わせて選ぶと良いでしょう。また、ジムが整備されていれば、忙しい日常でも健康を意識した生活が送りやすくなります。これらの施設を活用できる環境が整っていると、生活がより快適になりますね。

2. バスタブの有無

バスタブがある物件は、特に子供がいる家庭やリラックスしたい人にとって非常に便利です。シンガポールの物件にはバスタブが設置されているものが少ないため、運が良ければ見つかりますが、もし見つかっても賃料が少し上がることもあります。それでも、バスタブの便利さを考慮すれば選ぶ価値は大いにあります。実際、私はバスタブありとなし両方のタイプに住んだことがありますが、バスタブがあれば、子供の体をお湯で温めたり、湯舟で遊ばせたりできてとても便利でした。大人にとっても、タンクのお湯の容量が限られていることが多いのでたっぷり貯めるのは難しいですが、半身浴をゆっくり楽しむことができ、湯の森に行く必要がなくなります(笑)。

3. 都市ガスの便利さ

シンガポールでは都市ガスを使用する物件は比較的少ないため、これにこだわると選べる物件が限られてしまいます。しかし、運よく都市ガスの物件に当たった場合、その便利さは実感できます。シンガポールの一般的な物件では、電気で湯を沸かしタンクに貯めるタイプが主流で、このタイプは使える湯量に制限があります。都市ガスがあれば、家族が続けてシャワーを浴びたり、バスタブにお湯をためたりする際にとても便利です。お湯が必要な時にすぐに出るので、家族全員が快適に過ごせる点が大きな魅力です。

↑シンガポールコンドミニアムあるある。給湯器の話も掲載。

3. 情報収集に使えるサイト・アプリ

コンドミニアムを探す際には、実際にエージェントとして入ってくれるような東京不動産やエイブルなどの日系の不動産のサイトに加え、以下のウェブサイトやアプリが役立ちます。

  • PropertyGuru: シンガポールで最も広く利用されている不動産検索サイトの一つで、豊富な物件情報が提供されています。検索機能が充実しており、アプリもあり、エリアや価格帯、施設などの条件を細かく指定して物件を探せます。

  • 99.co: 直感的なインターフェイスと多彩な検索機能が特徴のサイトです。物件情報はもちろん、エリア別の生活情報や周辺施設の情報も提供しており、移住先の環境を比較する際に便利です。

  • EdgeProp: 高品質な不動産情報を提供するサイトで、特に投資家向けの市場分析やトレンド情報が豊富です。購入だけでなく、賃貸物件も多く取り扱っています。

< リンク集 >

https://www.propertyguru.com.sg/

https://www.99.co/

事前に上記のウェブサイトで、希望エリアや条件を入力して検索しておくと、相場感やおおよその部屋の雰囲気がわかり、不動産エージェントとの話も進みやすいと思います。

4. 実際の物件選びで失敗しないためのプロセス

内覧時に確認すべきポイント

オンラインで物件を探すのは便利ですが、内覧時には次の点を確認することをおすすめします:

  • 部屋の状態
    壁や床に傷やカビがないか、また匂いが気になる箇所がないかを確認。

  • 騒音レベル
    同じフロアやコンドミニアム内の騒音レベルも要チェック。静かな環境を確保するためには、事前にしっかり確認しましょう。

  • 日当たり
    室内の日当たりは快適な生活に直結します。特に日差しの入り具合をしっかり確認しておくことが重要です。

  • 現住人の様子
    日本人が住んでいる場合は綺麗に使われていることが多いですが、他の国の住人の場合、住環境が異なることも。特にインド系の住人の場合、カレーの匂いが残っていることがあるので注意が必要です。また、ペットの有無も確認しておきましょう。

  • 家電のブランド
    洗濯機や食洗器などの家電製品もQOLに直結します。信頼できるブランドかどうか、事前に確認しておきましょう。

不動産エージェントを上手に活用

シンガポールでは、不動産エージェントを通じて物件を探すのが一般的です。エージェントに希望条件を伝える際は、優先順位を明確にして、最も重要なポイントを伝えましょう。また、契約条件(家賃、敷金、退去時のルールなど)についても細かく確認することが大切です。

現地の法律とルールを把握

シンガポールの住宅契約には厳格な規制があります。たとえば、外国人が借りられる物件の種類や契約期間(通常1〜2年)について事前に理解しておくことが重要です。駐在員の場合、最初の1-2年の契約満了後は1ヶ月前の通知で退去できるなど、柔軟な契約も可能ですので、契約内容をしっかり把握しておきましょう。

結論:自分や家族にとって最適な住まいを見つける旅のゴールへ

シンガポールでのコンド探しは、単なる家探しではなく、生活全体の質を決める重要なプロセスです。本記事で紹介したポイントを参考に、あなたのライフスタイルや予算に合った物件を見つけてください。

私自身も3回の引っ越しを通じて、多くの学びを得ました。今後さらに役立つ情報を発信していきたいと思いますので、ぜひ他の記事もご覧ください!また、物件探しに関する疑問や具体的な相談があれば、気軽にお問い合わせください。

理想の住まい選びは、あなたの新しい生活を最高の形でスタートさせる一歩です!

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まちゃ@シンガポール自営駐在妻
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