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【批評】3月の亀島一徳「名義変更についてくる夫の素晴らしさ」
3月某日。遂に、長かった名義変更の手続きが終わった。パスポート、保険証、マイナンバーカード、通帳クレジットカード・・入籍直後、私は手続き地獄を前にとてもイライラしていた。何故、私がこんな面倒な思いをしなければならないのだろう。夫、亀島一徳の横で「名義変更 順番」とGoogleで検索をしているとき、無性に腹が立った。妻が必死に名義変更について調べているのに、夫はなぜボーッと座っているのだろう。苛立ちに任せて、私はこう言った。
「名義変更、マジで大変そうなんだけど最悪」
結婚を後悔しているとも取れるほどに攻撃的な発声だった。
しかし、亀島一徳から帰ってきたのは思いもよらない言葉だったのである。
「一緒に終わらせよ〜」
このとき良かった点は二つ。まず一つ目は、妻である筆者の苛立ちに全く影響されていない点である。大抵の人間は、突然誰かから苛立ちをぶつけられた場合、同じように苛立つか、驚いて下手に出る。この「下手に出る」という行為は一見有効だが、苛立っている人間の逆鱗に触れる可能性が実はとても高いのだ。しかし、この時の亀島一徳は驚く程「普通」だった。今にも襲い掛かろうとする猛獣を前に普通にしていられる人間が、この世界にどれだけいるだろう。極々僅かなのではないか。亀島一徳は、その極々僅かな一握りの人間であった。
そして二つ目は
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