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【推論】3月の長井短「テラスハウス第38話における快の振る舞いと長井短の眼差し」

2020年3月31日配信のテラスハウス第38話は、身を切られる思いであった。快という帰国子女の青年が、お互い恋愛対象として意識し合っていた女性から激怒されていた。

快はスタンドアップコメディアンで、とにかく舞台で滑っている。滑っているどころではなく、もうグチャグチャになって、セリフもろくに出てこない。この時点で役者をしている私としては共感性羞恥で辛すぎるのだが、意気消沈して家に帰ると、かつては恋愛対象として意識し合っていた女子プロレスラーの花に激怒されることになる。直接的な原因は、洗濯機に花が入れっぱなしにしていたコスチュームを取り出さずに上から自分の洗濯物を入れ、そのまま回し、乾燥をかけ、コスチュームがとんでもなく縮んでしまったからだ。怒り狂う花に、謝ることしかできない快。いつまでも煮え切らない快の態度に花は業を煮やし、快の帽子を床に叩きつけ、「ふざけた帽子被りやがって」というパワーワードを残し去っていく。快が被っているのはごく普通の帽子であった。

その様子を長井は見つめていた。画面をただただ見つめていた。お願いランキングをみているときと同じ目で、テラスハウスを見ていた。私にはそこから長井の感情を読み取ることはできなかった。テラスハウスを語り合うことには危険がともなう。テラスハウスにおいて誰に感情移入し、誰に嫌悪感を抱くのか、それによって人間性が明るみになる。夫婦といえど、まだまだ油断のならない領域がある。

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