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「海へ行こう」②
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「お兄ちゃん、この道少し怖いよ〜」とナギサは言います。
道は林の中にさしかかっていました。辺りは薄暗く、妹のナギサには少し怖かったのかもしれませんね。
「海は、この林の中の道の先にあるんだ。じゅうぶんに気をつければ、大丈夫だよ」とタケルはしっかりした声で言います。
兄であるタケルは、ここの自然のことには詳しいのです。
タケルの手を、ナギサはしっかり握ります。
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「ナギサ、海が見えてきたぞ」
タケルがそう声をかけると、ナギサは「ほ、ほんとだ〜!」と声を上げました。
木と木の間には砂浜、そして水平線が見えます。まぎれもない、海です。
海についたタケル、ナギサ兄妹は、喜びでいっぱいです。