マイ・ストーリー/ミシェル・オバマ(著)
昨日の朝日新聞でバラク・オバマ氏の『約束の地』が紹介されていました。
すでに積読本に入っていて、躊躇なく上下巻を買ったのも、彼の妻ミシェル・オバマ氏の『マイ・ストーリー』がとても読み応えがあり感銘を受けたからです。
本を読むまですごく申し訳なかったのですが、オバマが大統領になったのは、彼の意思はもちろんのことですが、ミシェルの強い気概もあったのでは?と思っていました。上昇志向のある強い女性なのかな...と。
しかし、読み進めるうち、彼女の飾らない人柄と努力を惜しまない姿に、私の偏見は氷が溶けていくかのようになくなっていきました。
ミシェル自身のルーツ、家庭環境、ファーストキス、大学時代の彼のこと、オバマとの出会い等々...、赤裸々に書かれた自伝には、一人の女性の葛藤と努力が真摯な文章で綴られています。
そして。本の中では教育の大切さが何度も何度も書かれています。
『教育は私自身の人生を変え、世界へと押し上げてくれた一番大きなツールだった。』
この文章は、真っ直ぐに私の胸に響きました。
マイノリティであるが故の葛藤、女性である故の葛藤、また、有能でキャリアがある故の葛藤。そして、運命の流れに逆らえずに引き込まれていく葛藤。彼女のストーリーではありますが、ある意味、アメリカという国のストーリーであるとも言えます。
葛藤を抱えながらも、それを打開し努力を重ねるミシェルの力強さに勇気づけられ、彼女のエネルギーが流れ込んでくるような本でした。
Netflixにドキュメンタリーもあるようです。
これからの時代を支える女性は、多様な生き方、働き方が求められることでしょう。仕事と家庭、仕事と子育て、そして自己の確立などで悩んだ時には、ヒントになる生き方が書かれている本だと思います。
女性としてとても共感し、とても勉強になった本でした。