縄跳びで悩む人を減らしたい
2017年、自分は日本なわとびアカデミーを起業しました。
名前の通り「なわとび」の指導を行うのが弊社の事業です。
改めて、なんで「なわとび」なのか?と聞かれることが多いので、記事でまとめておきたいと思います。
縄跳びは教わるものじゃない?
あなたも縄跳びの授業を受けたことはありますよね。
小学校の授業で縄跳びは必ずと行っていいほど扱われています。最近では幼稚園や保育園でも扱うところが増えており、日本国民全員が一度は縄跳びに触れていると言っても過言ではありません。
しかし、
あなたは縄跳びの練習方法を聞いたことがありましたか?
どんな練習をしたら良いか、何に気をつけたら良いか、そしてどんな道具を使ったら良いか・・・
おそらく聞いたことがないのではないでしょうか。
そう、
縄跳びはコレほどに日本中で扱われているにも関わらず「教える」対象になっていないんです。
これはマズイと思ったのが、日本なわとびアカデミーを起業する動機の1つでした。
縄跳びが運動嫌いを作る元凶になる
体育が嫌いだった中高時代
少し前にヒャダインさんのこの記事が話題になりました。
コレを読んだとき、もはや日本の体育の敗北というか運動指導の敗北を感じました。
実を言うと自分も過去は体育は嫌いな人間だったんです。正確には集団競技、球技系が苦手で嫌いでした。
マット運動や鉄棒縄跳びが得意でしたが、集団競技の球技はどうしても好きになれなかった。中学校ぐらいになると各種目で部活に入ってる生徒がイキりだして、苦手や初心者のことを蔑んでくるんですよね。
小学校までは体を動かすのが大好きでしたが、中学校・高校と進むに従って「体育」だけが嫌いになっていったんです。
この状況、縄跳びも「体育嫌い」の片棒を担いでしまってるのではと気づきました。
あなたも、学校の授業で「カード」を渡されてひたすら練習した記憶はありませんか?
全国多くの小学校で学習カードとして「なわとびカード」を取り入れており、連続で跳べた回数を記録したり認定したりしてもらうシステムになってます。
でも、、、
最初の方の簡単な跳び方は良いんですけど、難しい二重跳びやあやとびあたりになると、できなくなって一向にカードが進まない。しかも他の人は進んでいるのに、なんで出来ないかわからない。
気づくと自分だけ下手くその烙印を押されて、縄跳び=体育が嫌いになっていく。
この状況がどうしても許せなくて、悔しかったんです。
なわとび嫌いの原因はなにか?
縄跳び嫌いが生まれる原因を丁寧に見ていくと、原因になるのは指導方法とノウハウの不足でした。
いきなり縄跳びを渡されて、とにかく跳んでおけ!
こんな指導とは呼べない罰ゲーム的な練習が体育では一般的になってしまっていたんです。
一部のカンがいい子どもは試行錯誤をして上達していきますが、全体で見るとごく一握り。しかも試行錯誤だって最初のうちは良いですが、どこかで気持ちが折れてしまいます。
それでも学校では「二重跳び」を求めてきて、出来ないことに対して劣等感を抱く。そりゃ嫌いにもなりますよ。
つまり、
上達するために必要な知識やノウハウ、指導法が広まっていないことが縄跳びを通じた体育嫌いを生み出してる要因だと考えたんです。
縄跳びの指導は難しい
小学生のお子さんを持つ保護者の方と話をする機会が多いのですが、学校ではしっかり教えてくれないんですか?と良き聞かれます。
正直に言いますと、それは不可能です。
学校の授業は体育でも30人からの児童が一斉に運動をします。たった45分の授業で1人ずつに細かく指導をしている時間はありません。
さらに言えば、学校の先生も教えるノウハウがない。教えたくても教え方がわからない。
縄跳びって、教えるのがすごい難しい運動の1つなんです。
まえとび1つにしても、全く跳べない1年生の子に教えるのは本当に難しい。基本的な運動すぎて、どう伝えて良いかがわからなくなってしまうんです。
学校の先生だって見て見ぬふりをしているわけじゃないハズですが、一斉に教える体育の授業では限界がある。しかも体育では縄跳び以外にも多様な運動を扱う必要があり、算数や国語だって教えなければいけない。
そう、学校の先生だった苦手な子を生み出したいわけじゃない、同じぐらい悩んで苦しんでる人が多いんです。
教えるためのノウハウが無い
そもそも教えるのが難しい
先生が忙しくて圧倒的に余裕がない
この状況を目の当たりにして、
なわとびで悩み、苦しんでる人をを減らしたいと想いを強くしていきました。
縄跳び競技という別世界
学生時代は競技選手だった
話は変わりまして、
自分は高校2年生のときから「なわとび競技」の世界にいました。
回数を競う、技を組み合わせた演技で出来栄えや難易度を競うと言った内容で、アジア大会や世界大会にも出場させてもらう機会がありました。
とはいっても、なわとび競技はまだまだマイナー種目。
はじめて出場した頃の大会は自分を含めても数人の大会で、国際大会にっても100人にも満たない参加参加者の大会もありました。
それでも、自分はなわとび競技を通じて多くのことを学ばせもらい、さらに同じ競技に取り組んでくれる若者が増えてくれることを願ってました。
その第一歩として、筑波大学時代に知人のNPO法人の力を借りて開設した「まっちゃんのなわとび教室」がありました。
2006年から開設したこの教室は、つくば市内の小学生を対象になわとびを教える教室なのですが、徐々に上手な子も増えてきて「競技クラス」を増設しました。
すると、あれよあれよと上手な子達は大会に出場するようになり、2009年のには教え子たちを10名以上も全国大会につれていくことができました。
※申し込めば出れる全国大会!w
定期レッスンが起業につながる
2009年の大会は、初出場の頃に比べれば人数は増えたとはいえ、まだまだ小規模には違いありません。
その後しばらくは「シルク・ドゥ・ソレイユ」の出演でフロリダ州に渡米してしまうのですが、
競技選手を増やして、大会を盛り上げたい!という思いはずっと持ち続けていました。
2016年にシルク・ドゥ・ソレイユを終えて帰国したとき、御縁をいただき数名の子ども達に個人レッスンという形でなわとびを教える機会がありました。
本人たちはとても真面目で、みるみる上達していきます。
しかし、
個人レッスンで不定期に練習をしているだけでは限界がある。
そこで、定期的に練習をするレッスンを開催しませんか?と提案したのが、日本なわとびアカデミーを発足させる直接的なキッカケになりました。
競技選手を増やしたい
競技を志す選手が増えてくれるのは、元競技者としてはコレ以上嬉しいことはありません。
先に出てきた背子どもたちも、上達するに従い大会に興味を持つようになりました。最終的にはここからジュニア世界チャンピオンが出るのですが、
競技の魅力を広めて大会に出場する選手を増やしたい。定期レッスンを続けるうちに思いがどんどん強くなって行きました。
日本なわとびアカデミーを起業する
なわとび競技を頑張ろうとしても、情報は非常に限られています。しかもルールは初めての人には複雑すぎて理解が大変で、年々変化する最新ルールについていくのも大変です。
そう、
なわとび競技を頑張ろうとしてる人も、縄跳びに悩んでいる人だったんです。
学校体育で苦しむ子どもと保護者
指導法がわからず悩む教員や指導者
競技のやり方が知りたい選手たち
「こうした人達の助けになりたい」を、日本なわとびアカデミーの使命にしています。
指導やレッスンが得意だと気づいた
自分は、指導やレッスンが得意です。
これはシルク・ドゥ・ソレイユから帰国して、起業するまでに気づいたのですが、帰国直後の個人レッスンでも、定期レッスンでも、あまり大変という感覚がなく指導ができました。
もちろん指導に向けての資料作りやレッスンプランは手を抜かないんですが、
いずれにしても大変とか辛いとかは思ったことがない。
ちょうとストレングス・ファインダーが流行してた時代でもあったんですが、指導をすることが得意なんだとこの頃に気づけたのは大きいです。
JJRAの向かう先
日本なわとびアカデミー(:JJRA)は、まもなく10年の節目を迎えようとしています。
いまでも理念は変わらず「なわとびで悩む人を減らしたい」のままです。
2025年現在では愛知県を拠点にして事業を展開していますが、日本の名前を冠しているからには、徐々に活動の拠点を広げていきたいと考えています。
それこそ、
身近な習い事の選択肢に「なわとび」を入れる。
これを次なる目標として、今も頑張っています。