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東京基督教大学チャペル礼拝 メッセージ「現代版“十戒”を作ってみた」(2025年1月16日)テキスト版
イエスは答えられた。「一番たいせつなのはこれです。『イスラエルよ。聞け。われらの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、思いを尽くし、知性を尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』次にはこれです。『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。』この二つより大事な命令は、ほかにはありません。」(マルコの福音書12章29節~31節=新改訳2017)
はじめまして。キリスト新聞社の松谷と申します。日本キリスト教会という長老制改革派の流れを汲む小さな教派の教会に所属しています。もともと両親が熱心なクリスチャンの家庭で生まれ、幼いころは伯父が牧師をしている教会に従兄弟たちと一緒に通っていた時期がありました。三兄弟の三男で、同い年の兄と年下の従弟が日本基督教団で現在牧師をしています。いわゆるプロテスタント・メインラインの「宗教2世」です。
大学時代は教育学部で教員免許を取得し、教員になろうと思っていましたが、紆余曲折あってテレビ局の制作会社を経由した後、聖公会系の私立小学校で教員を5年勤めてから2度目の転職で現在のキリスト新聞社で働くことになりました。
キリスト新聞社のことも簡単に触れておきますが、戦後翌年の1946年に創立し、来年で80周年を迎える老舗の業界紙「キリスト新聞」を発行してきました。創業者はSDGsの先駆者ともいわれる賀川豊彦で、創刊当初からカトリックからプロテスタントまで、教派を超えて国内外のキリスト教にまつわるニュースを伝えてきたという歴史があります。業界には他に、いのちのことば社が主に福音派を対象として発行する「クリスチャン新聞」と、カトリックの専門紙である「カトリック新聞」がありますが、福音派からカトリック、そしてメインラインまでを網羅しているのが「キリスト新聞」の特徴です。
とはいえ新聞や書籍が売れない時代ですので、最近はもっぱら出版事業以外にも、より広く信徒以外の方々、特に若い世代にもキリスト教や聖書に親しんでもらうための企画・開発に力を入れています。カードゲーム、ボードゲーム、アプリゲーム、四コマ漫画、ライトノベル、各種コンテスト、フリーマーケット、コラボイベント、オンラインセミナー、YouTubeチャンネルでの発信などなど、およそ考えられる限りのことにいろいろチャレンジしてきました。
今回、普段は取材や広告でお世話になっている東京基督教大学のチャペルでお話をする機会をいただき、たいへん光栄です。なにしろ私たちメインラインにとって、いわゆる福音派は完全にアウェイです。この業界に関わるようになった約20年前に比べれば、福音派とメインラインの垣根もだいぶ低くなってはきましたが、それでもやはり未だに見えない壁と溝を感じる場面が多々あります。私は大学の聖書研究会で他教派のクリスチャンに出会うまで、自分の教派以外の教会についてはほとんど知りませんでした。皆さんも経験済みかもしれませんが、さまざまな出会いを通じて初めて、自分にとっての教会観、キリスト教観がいかに狭いものだったか気づかされることがあります。この体験は本当に重要です。特にまだ頭が柔軟な時期に、多様な価値観に触れること、幅広い交流で知見を広めることは、その後の信仰生活にとっても欠かせない要素だと思います。
そもそもメインラインと福音派では使われている用語が違いますね。かつてTwitter(現X)でこんなハッシュタグを作ったことがあります。「#おそらくメインラインが知らないと思われる福音派用語集」。例えばこんな言葉です。
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