伝わるコトバの方程式~その発信、ちゃんと届いていますか?
「せっかく発信しているのに、なかなか伝わらない」というもどかしさを抱いたことはありませんか? とりわけ何らかの組織・団体(教会や学校を含む)で広報を担う方々にとっては切実な問題です。業界紙の記者として「伝わるコトバ」を模索してきた立場から、5つの提言にまとめてみました。参考にしていただければ幸いです。(キリスト教系団体の機関紙に寄稿した原稿を加筆修正)
① 伝わるコトバとは「鏡」である
相手に何かを伝えようとする際、まずは外部(第三者)からあなた自身がどう見られているのか、何が求められ、期待されているのか――そうしたセルフイメージの検証や客観的評価、対外的な説明が必要です。そもそも発信者に良いイメージがなく、忌避感を抱いているのであれば伝わるものも伝わりません。
『泣いた赤鬼』(浜田廣介作)という有名な童話があります。人間と仲良くなりたいと願う赤鬼が、戸口の前に「ココロノヤサシイ オニノウチデス ドナタデモ オイデクダサイ」と書いた立て札を掲げたのに、警戒して誰も訪ねてきてくれないという切ないシーン。「どなたでもお気軽にお越しください」と呼びかけながら、誰も訪ねてはくれないという教会は、まさに「泣いた赤鬼」状態になってはいないでしょうか。呼びかけを信じて、気軽に入ってみたら「一見さんお断り」な空気にいたたまれなくなったという苦情もよく耳にします。
あなたの属する組織・団体はそもそも世間からどのように見られているのか。キリスト教のイメージはあるのか。もしあるなら、それはプラスなのかマイナスなのか。その点をまずはしっかりと見定め、検証する必要があります。
具体的にはツイッターやネット上での「エゴサーチ」(自身の名前などを入力して検索する方法)が、より本音に近い意見を聞くことができるので有効です(そもそもグーグルで検索しても何も情報が出てこない状況であれば、大いに危機意識を持つべきです。デジタルネイティブ世代にとって、ネット上にないものは存在しないに等しいからです)。
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