首吊り自殺に失敗したおじさんの話。…失敗した直後。

こんばんは、みなさん毎日生きていてえらいです。

自殺決行した後は意識が飛んでしまって何も覚えていない。
ひとまず意識を取り戻したときには救急隊員に囲まれていた。
脈を取られたり、心拍数を測られたり、酸素濃度を測られたり。

「何で首吊ったの?」

と優しく聞かれたけど、ぱっと言葉に出ずにただただ涙が出た。

死ななくて良かったのではない。

死ねなくて悔しかった。

死ぬことすら満足にできない。

また地獄のような日々を送らなければいけない。

そう思うと辛くて涙が止まらなかった。

「とりあえず病院に行こう」
と言われたが頑なに拒否した。
病院に行けば仕事に行けなくなる。
いや、死のうとしたのに何言ってんだか。
病院に行けばお金がかかる。
いや、死のうとしたのに何言ってんだか。
病院に行けば色んな人にバレてしまう。
いや、死の(以下略

自殺する直前の出来事をひたすら話した後、警察官が2人現れた。

同じことを聞かれた。
何で首を吊ったのか。
そんなことより僕は「このことが職場や親にバレるのではないか」という心配が先んじて警察官の前ではもう何も言えなかった。
死ねたら後先考えなくて良いけど、失敗したとなるとこの後人生が続いてしまう。
そうなると他の人にバレてしまう。
そうなるとまた生きにくくなる。
死のうとした人間がおかしなことを考えているとは思うが、生きてしまったからには生きにくくなるのは恐ろしいことなのだ。矛盾しているのだけど。

一呼吸置いて、まず聞いたことは
「これは会社や親に連絡されますか?」

それに対して警察官は
「いや、大丈夫。今のところは連絡することはないよ」

とのこと。

何故警察が来たんですかという質問に対しては

「死んでたら検死しないといけないから」

とのこと。

そうか、嫁が犯人になるように工作しとけば良かったのか。

と良からぬ事を考えていた。


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