ScreenXで『ブレットトレイン』を観た。
ちょっと前に知ったんですが、最近の映画館には「ScreenX」というシアターがあるんですってね。
正面だけでなく左右にもスクリーンが設置されて、囲まれるように映画を鑑賞できるそうで。
存在は知っていてもなかなか観る機会がなかったんですが、今ハマっている映画『ブレットトレイン』がScreenXで上映していると知って、早速見てきましたよ。
ブレットトレインは4回目の鑑賞で内容は知ってるので「どんな変化があるのか」を確認するにはちょうどいい。
ただまぁ結論を先に言っちゃうと……「わざわざScreenXで見なくてもいいかな」って感じでした……。
以下、感想やなんやかんやです。
※『ブレットトレイン』の内容に触れるので注意。念の為。
◆視界いっぱいの映像!……ん?
さてScreenX。スクリーンが湾曲しているとかそういうことはなくて、以下のように四角いハコの中で正面・左・右にスクリーンが設置されている形です。
(東京・お台場のシアターでは。他県にもあるらしいけど、他の場所も同じ構造なんだろうか?)
この3面のスクリーン、正面は普通に長方形なんですが、左右のスクリーンは座席が雛壇状に上がっていくのに合わせて、後ろに行くにつれて細くなっていきます。
展開するとこんなイメージ。
で、これを正面と左右に配置して客席から見ると、以下のようになるんだけど……
左右のスクリーンに、ピンク色で表した部分がありますね。
非常口だ。
まぁ、ドアが丸々スクリーンに引っかかるわけではなくて、せいぜいドアの上1/3ぐらいではあるんだけど……。
映像が左右いっぱいに広がる!っつっても、正面スクリーンを外れたらまず非常口に引っかかる。
さすがに非常口マークは消灯するけど……パッと目を移した時に「何か四角いものが映ってるな?……あ、非常口だ」みたいなことが何度かあった。
これはちょっとなぁ……。
ちなみに左右スクリーンはキッチリ後ろまで伸びているので、最後列に座っても大丈夫。トッポにチョコがたっぷり詰まっているように、最後列まで映像がたっぷり詰まっている。
真ん中辺に座って映像に囲まれるか、最後列に座って通常より広い視界を楽しむかは、好みの分かれるところですね。
(俺は今回真ん中に座って見たけど、首を振らないと左右の映像が確認できないので最後列を取ればよかったかな……と少し後悔。)
◆3面に広がるタイミング
最初に言っておくと、映画全編が3面になるわけではナイです。
基本的には正面のスクリーンだけ映ってて、アクションシーンとか、新幹線が街を抜けるような広い画になるとパッと左右に映像が広がります。(ちなみに映ってない時の左右画面はブラック。ロゴで埋めてあるとかはナイ。)
……本編知ってる人向けに言うならば、「冒頭の東京の街」「17人のカウント」「ウルフの過去」「京都駅到着からのアクション」などなど。アクションパートは全部広がってたかな。ヨハネスブルクでレディバグが2回撃たれた回想もワイドに見れるぜ!
一方で画面に動きがない会話シーンなんかは、通常の上映と同じサイズでしか映らない。
内容知った上でしばらく見てると「あ、この次は3面になるな」となんとなくわかるようになる。
……ちなみに映画にもよると思うんだけど、ブレットトレインでは「新幹線が街を抜ける2カットだけ広がってすぐに元に戻る」なんて挿入の仕方があったりして、画面の切り替えを意識して見るとちょっと忙しいかも。
で、その広がった部分の映像だけど……一応、通常のスクリーンで見えなかった部分が見える形にはなってはいる。
なってはいるんだけど、そこに何か情報があるかっていうと特にナイ。
左右に広がる映像は、ハッキリ言ってオマケや余白程度のものしか映ってないです。背景が延長されてるぐらい。
仮に左や右の画面だけを2時間ガン見したとしても、新たな発見があるわけではなさそうだった。
◆左右画面で気がついたこと
それでも一応、「余白」部分に何か発見がないかと思って、画面が広がった時は積極的に左右スクリーンを見てたんだけど……。
これ、左右の映像はたまーーーに違和感がある。
例えば、ウルフの結婚式のシーン。式に参加した人々は左スクリーンに現れても正面スクリーンに映る直前まで静止してたりする。
あと、ゆかり号でのレディバグとウルフのアクション。正面スクリーンに映ってる「レディバグの顔+ナイフを突きつけるウルフの腕」はともかく、そこから右スクリーンに伸びるウルフの体になんだか違和感があった。(動いてない?目で追った時にはカットが変わっていた。)
さらには車内販売の準備車両でのレディバグとみかんのくだり。正面だけ見てれば「睨むみかん、対応する販売員。画面外でレディバグが水を飲む音がする」。ここで右スクリーンにはレディバグが水を飲む様子が見える(!)んだけど、動作の2回目は音がズレているように聞こえた。
やっぱり「正面」を軸に編集してるから、オマケの余白までフォローしてないんじゃないかなァ……。
ただまぁ、ここでしか見られない部分もあって。
上記の「水を飲むレディバグ」もそうだし。
”白い死神”が峰岸邸を襲撃するシーンでは、右スクリーンの後方にしか映らないヤクザがいたりする。
車内バーで王子がケースを見つけるカットでは、右スクリーンでカウンターにもたれかかって様子を眺める木村の姿が確認できる。これは普通の上映では見られない。
あとブームスラング蛇が盗まれたことを伝えるニュースの時は、左右に「BREAKING NEWS」の専用背景が出る。全編通して専用背景が出るのはここだけだぞ!必見!(ってほどでもないけど。)
……とはいえ……やっぱりオマケ程度の意味しかないかなぁ。
◆締め
とまぁ、”ものは試し”で見てきたScreenXだけど。
これ、本来なら通常料金にプラス700円らしいんだよね。
「本来なら」ってのは、俺は映画館の会員デーで1800円で見たから。
通常だったら1900+700で2600円のはず。
……うーん。
……うーーーーーーーーーん。
面白いけど、そこまで出さなくてもいいかな……と僕は思います……。
これで全編ScreenX対応だったらもうちょっと違うと思うけど、部分部分だし……。
会員デーなんかで安く(通常料金程度で)見られるなら、体験してみてもいいかもしんない。
ただ、その場合でも左右画面にはあんまり注意を向けなくていいと思う。本当に雰囲気程度の映像しか入ってないし。
当然ながら、その映画にとって大事なことは全部正面スクリーンで収まるように作ってるわけだし。
鑑賞2回目、3回目で、内容を知ってる映画によりどっぷり浸かるために見たりするといいんじゃないすかね。
以上、そんな感じです。