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『魂の系統』の文化

キャラバンの物語


あるところに女がおった。

女は、村のはずれの祠を守る巫女をしておった。


あるとき、女は男に出会った。

男の名は、善果。


女は、善果にこういった。

「この世でもっとも尊いものはなんでしょうか。」

善果は、

「それは、仏の道だ。」

と答えた。

女は、

「私も仏の道が知りたいです。」

と尋ねると、

善果は、

「女では、だめだ。」

と答えた。

女が、

「なぜ女はもっとも尊いものを求められないのですか。」

と尋ねると、

善果は答えられなかった。


善果は、女を男装して弟子とした。


女の綽名は、玄奘三蔵。


あるとき、玄奘三蔵は天寿を全うした。


肉体を脱いだ玄奘三蔵は、世の移り変わりを眺めてすごしておった。


そしてあるとき、こう思った。

「今度は、男女の差別のない世の体験がしたい。」


そこで、とある夫婦の娘として生まれることとした。

その娘の名は、ユリ。


キャラバンの物語 完


依存


依存とは、束縛の認識の異名である。

依存とは、無関心の認識の異名である。

依存とは、拡散の認識の異名である。

依存とは、旅の認識の異名である。

依存とは、耽溺の認識の異名である。

依存とは、恍惚の認識の異名である。

依存とは、吐息の認識の異名である。


依存 完


自立


自立とは、勇気の渇望の異名である。

自立とは、昂揚の渇望の異名である。

自立とは、絶頂の渇望の異名である。

自立とは、文化の創造の異名である。

自立とは、束縛の管理の異名である。

自立とは、管理の管理の異名である。

自立とは、旅の無為自然の異名である。


自立 完


文明


文明とは、退廃の共有の異名である。

文明とは、技術の共有の異名である。

文明とは、退廃の束縛の異名である。

文明とは、技術の秘密の異名である。

文明とは、退廃の渇望の異名である。

文明とは、技術の土着の異名である。

文明とは、退廃の土着の異名である。


文明 完


 

この文章は、『魂の系統』で登場する依存、自立および文明について考察したものである。

『魂の系統』の理解の一助のために記す。

 

三次元地球の余韻のときに記す。

 

〆 完

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