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『魂の系統』の勾配
タキシミミの物語
あるところに男がおった。
男は、十六になって生まれた村を離れ旅に出た。
広い広い海を四年の年月をかけて渡りきった。
とある川べりにやってきた男は、自分を呼ぶ声に気づいた。
「もうし、おにいさん、お待ちなさい。」
男は、呼ばれたほうに顔を向けると、大きなひきがえるが一匹こちらを向いていた。
男が、
「なにごとですか。ひきがえるさん。」
と、ひきがえるに尋ねると、
「ここに祠をまつってほしいのだがな。」
男は、
「お安い御用ですよ。」
と引き受け、小さな祠をたてて祝詞を捧げた。
ひきがえるは、
「ありがたや、ありがたや。」
といったきり姿を消した。
この祠は、後にカタカムナの宮と呼ばれる。
あるとき、男は女に出会った。
女は、どこから来たかも知らず、どこへ行くかも知らなかった。
男は、女に恋をした。
女は、男を受け入れた。
そして、二人の子が生まれた。
子は男の子の双子だった。
女は男に、
「男の子は、十六になったら旅をさせねば。」
といった。
そこで男は、
「それでは、山のむこうへ旅をさせよう。」
と答えた。
十六年の後、双子の男の子は立派な男に成長した。
その男の名は、タケヒトとタキシミミ。
タケヒトとタキシミミは、十六になって生まれた村を離れ旅に出た。
二人は、森を西に向かって進み、ついに海に出た。
広い広い海を四年の年月をかけて渡りきった。
陸にあがった二人は、相談した。
「私は、東へいこう。」
と、タケヒトがいった。
「それでは、私は西へいこう。」
と、タキシミミはいった。
タキシミミは、西へ向かい山を越え、海に出た。
そして海を陸づたいに北に進んだ。
すると、北の海の先に島が見えた。
「海を渡ろう。」
タキシミミは決めた。
海を渡り島へたどり着くと、さらにその先に陸地が見えた。
「先へ進もう。」
タキシミミは決めた。
タキシミミは、ついに海峡を渡りきった。
あるとき、タキシミミは女に出会った。
タキシミミは、女にたずねた。
「ここはどこなのだ。」
女は、言葉がわからずただ首を振った。
タキシミミは、身振りで食べものがほしいことを伝えた。
女は、自分についてくるように手招きをした。
しばらく歩くと、女の住む村についた。
女は、小屋にタキシミミを招き入れ、できる限りのもてなしをした。
タキシミミは感激して、女になにかしてほしいことはないかを身振りで尋ねた。
女はタキシミミに、性交を求めた。
そして、タキシミミは女を受け入れた。
そして二人の子が生まれた。
子は男の子だった。
タキシミミは女に、
「男の子は、十六になったら旅をさせねば。」
といった。
そこで女は、
「それでは、海のむこうへ旅をさせよう。」
と答えた。
十六年の後、男の子は立派な男に成長した。
その男の名は、饒速日命。
タキシミミの物語 完
勾配
勾配とは、変化の流暢の異名である。
勾配とは、微分の変化の異名である。
勾配とは、変化の微分の異名である。
勾配とは、持続の変化の異名である。
勾配とは、変化の持続の異名である。
勾配とは、日常の変化の異名である。
勾配とは、変化の日常の異名である。
勾配 完
〆
この文章は、『魂の系統』で登場する勾配について考察したものである。
『魂の系統』の理解の一助のために記す。
三次元地球の余韻のときに記す。
〆 完