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『魂の万国博覧会』の拒否

娯楽の物語


あるところに男がおった。

男は、どこから来たかも知らず、どこへ行くかも知らなかった。


あるとき、男は女に出会った。

女は、どこから来たかも知らず、どこへ行くかも知らなかった。


男は、女に恋をした。

女は、男を受け入れた。

そして、二人の子が生まれた。


あるとき、女は男にこういった。

「もっと色々なことを知りたいわ。」

男は、物語をつくって女に話して聞かせた。


あるとき、女は男にこういった。

「もっと色々なことを知りたいわ。」

男は、おどりをおどって女に見せた。


あるとき、女は男にこういった。

「もっと色々なことを知りたいわ。」

男は、森に火をつけて火事を見せた。


男は女にこういった。

「平安がすべてだ。」


娯楽の物語 完

 

島影の物語


あるところに男がおった。

男は、どこから来たかも知らず、どこへ行くかも知らなかった。


あるとき、男は女に出会った。

女は、どこから来たかも知らず、どこへ行くかも知らなかった。


男は、女に恋をした。

女は、男を受け入れた。

そして、二人の子が生まれた。


あるとき、男は島影を見つけた。

今までみたこともない島影だった。


男は女の元へ戻りこういった。

「新しい島を見つけた。そこに行ってみたい。」

女は、

「あなた一人でならどうぞ。」

と答えた。


男は、島影に向かって船をこいだ。

そしてついに新しい島についた。

島には見たこともない木の実がたくさんなっていた。

木の実を一つもいで食べてみるととてもおいしかった。


そこで、木の実をたくさんもいで、船に乗せて引き返すことにした。

男が持って帰った木の実を食べた女はこういった。

「その島に行きましょう。」


男は、女と二人の子供をのせて島影に向かって船をこいだ。

そして再び島についた。


あるとき、男は島影を見つけた。

今までみたこともない島影だった。


男は女の元へ戻りこういった。

「新しい島を見つけた。そこに行ってみたい。」

女は、

「あなた一人でならどうぞ。」

と答えた。


男は、島影に向かって船をこいだ。

そしてついに別の新しい島についた。

島には岩ばかりで木一本はえていなかった。


そこで、小さな石を拾って、船に乗せて引き返すことにした。

男が持って帰った石を見た女はこういった。

「その島で魚を釣りましょう。」


男は、女と二人の子供をのせて島影に向かって船をこいだ。

そして再び島についた。

それから一日釣りをして、たくさんの魚を釣り上げた。

釣った魚は天日干しして持ち帰った。


男は、女にこういった。

「海がすべてだ。」


島影の物語 完

 

無視


無視とは、体験の透明の異名である。

無視とは、感動の喧嘩の異名である。

無視とは、適応の透明の異名である。

無視とは、機能の喧嘩の異名である。

無視とは、未来の透明の異名である。

無視とは、点滅の喧嘩の異名である。

無視とは、期待の透明の異名である。


無視 完

 

無関心


無関心とは、体験の静謐の異名である。

無関心とは、機能の透明の異名である。

無関心とは、適応の静謐の異名である。

無関心とは、表現の透明の異名である。

無関心とは、知見の静謐の異名である。

無関心とは、蓄積の透明の異名である。

無関心とは、期待の静謐の異名である。


無関心 完



この文章は、『魂の万国博覧会』で登場する無視と無関心について考察したものである。

『魂の万国博覧会』の理解の一助のために記す。


三次元地球の余韻のときに記す。


〆 完

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