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『魂の万国博覧会』の永劫

盲目の愛の物語


あるところに女がおった。

女は、村のはずれの祠を守る巫女をしておった。


あるとき、女のいる村に男がやってきた。

男の応対は、女が行うことになった。


男は、女にこういった。

「あなたのまもる祠はなんという神がまつられているのですか。」

女は、

「瀬織津姫とおっしゃられます。はるか昔から祀られているのです。」

と答えた。

男が、

「宮の名前は何というのですか。」

と聞くと、女は、

「宮の名前は秘密なのです。」

と答えた。

男は、

「どうして宮の名前が秘密なのですか。」

とたずねると、

女は、

「それも秘密です。」

と答えた。




あるとき、女のいる村に別の男がやってきた。

男の応対は、女が行うことになった。


男は、女にこういった。

「あなたのまもる祠はなんという神がまつられているのですか。」

女は、

「瀬織津姫とおっしゃられます。はるか昔から祀られているのです。」

と答えた。

男が、

「宮の名前は何というのですか。」

と聞くと、女は、

「宮の名前は秘密なのです。」

と答えた。

男は、

「どうして宮の名前が秘密なのですか。」

とたずねると、

女は、

「それも秘密です。」

と答えた。


女はつぶやいた。

「忘れてしまったなんて、言えないわ。」


盲目の愛の物語 完


喧噪の愛の物語


あるところに女がおった。

女は、村のはずれの祠を守る巫女をしておった。


あるとき、女のいる村に男がやってきた。

男の応対は、女が行うことになった。


男は、女にこういった。

「あなたのまもる祠はなんという神がまつられているのですか。」

女は、

「瀬織津姫とおっしゃられます。はるか昔から祀られているのです。」

と答えた。

男が、

「宮の名前は何というのですか。」

と聞くと、女は、

「宮の名前は忘れ去られてしまっているのです。」

と答えた。


男は、

「新しく、名前をつけたらよいのではないですか。」

と尋ねると、女は、

「昔、新しく名をつけたところ災いがあってやめてしまったのです。」

と答えた。

男は、

「では、こちらを言葉にするときは何とおっしゃられているのですか。」

と尋ねると、女は、

「あの宮と呼んでおります。」

と答えた。


男はつぶやいた。

「あの宮という名前なのだ。」


喧噪の愛の物語 完


共有


共有とは、体験の交流の異名である。

共有とは、双翼の適応の異名である。

共有とは、感動の交流の異名である。

共有とは、双翼の持続の異名である。

共有とは、蓄積の交流の異名である。

共有とは、双翼の機能の異名である。

共有とは、企図の交流の異名である。


共有 完

 

永劫


永劫とは、機能の持続の異名である。

永劫とは、適応の固着の異名である。

永劫とは、適応の循環の異名である。

永劫とは、変化の持続の異名である。

永劫とは、変化の循環の異名である。

永劫とは、静謐の持続の異名である。

永劫とは、透明の持続の異名である。


永劫 完



この文章は、『魂の万国博覧会』で登場する永劫について考察したものである。

『魂の万国博覧会』の理解の一助のために記す。


三次元地球の余韻のときに記す。


〆 完

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