あの頃あって今ないもの
なんて、ノスタルジックなことを言っていますが……。
ビリーが首輪をなくして帰ってきたというお話です。
因果関係はわかりませんが、鼻に引っかかれたような傷ができていました。
昼間は基本的に外で過ごしているので、他猫の縄張りに入り込んでしまうこともあるようです。
行動範囲はずいぶん狭くなったと宿のスタッフさんが話していましたが、若かりし頃はかなり遠くまで出かけていて、よく探し回ったそうです。
果敢に立ち向かっていく性格なので、引っ掻かれたり噛まれた傷をつけて帰ってくることも数しれず。
猫さんは飼われていてのんきに過ごしていても、いつも芯に野生がありますね。
夕暮れ時、ビリーと並んで道行く人を眺めることがありますが、少しの物音でもビリーの耳はピクリと動きます。飼われているけど、いつも野生なのです。
みんなにカッコイイと評判だったカラフルな首輪。
今はもう、無い。