シロに逢いにコバルトの彼方へ
私が生まれて初めてCDを買ったのは荻野目洋子さんのDEAR〜コバルトの彼方へ〜だ。
シングル板だったので通常のCDアルバムよりも小さかった。
映画の主題歌になっていることは知っていたが、映画を見に行ったわけではなく、ただ単にサビを気に入って買った。
ところが、である。
その20年後、私はこの映画の舞台となった島に一生ものの恋をした。
以来、毎年シロに逢いに島へ通っている。
毎年一度は口ずさむ歌になった。
荻野目さん、この歌は35年経っても忘れられてませんよ。
映画の舞台は座間味島。
かれこれ20年近く、年に何度も私が訪れている沖縄の離島だ。
今年だけで既に2回。10月の予約もしてある。
ウミガメがいる阿真ビーチへ行く途中にこの映画の主人公シロの銅像がある。
映画の上映から30年以上経つのに、今でもシロの首には花のレイが飾られ、足元は大きな貝殻がいくつも置かれている。
島人に、観光客にシロの銅像が大切されていることが伺える。
この映画がどれほどヒットしたのかも知らないし、若い世代にとってはどうしてここに犬の銅像があるのかもわからないだろう。
それでもシロの銅像は、今日もずっと自分の住んでいた阿嘉島の方を向いている。
マリリンに会いたいという映画は、実話をもとにされたストーリーだ。
シロという犬が、マリリンという恋人に会いに、毎日阿嘉島から3kmも海を渡り、座間味島へ泳いで来ていたという。純愛ストーリー。
地元の方から聞いたエピソードでは、確かにシロはマリリンに会いに海を渡っていたそうなのだが、帰りは阿嘉島へ戻る役場の職員と一緒に、阿嘉島と座間味島を結ぶ村内航路「みつしま」という船に乗って、家へ帰っていたらしい。
ここでもシロがかわいがられ、大切にされていたエピソードを伺い知ることができる。
座間味を旅していると、荻野目洋子さんの歌が脳内を巡る。特に夏のサイクリングで。
この歌は座間味にピッタリ合う。口ずさんでいてとても気持ちいい。
シロの銅像があるあたりは、道が美しくカーブしていて、坂を下りると共に大海原が見えてくる。
夕日が美しく見えるスポットでもあり、1日の終わりにはどこからともなく島の人や観光客がやってきて、ぼーっと夕日を眺めたり、のんびり釣り糸を垂れたり、おしゃべりに興じたりしている。
座間味の中でも私が好きな風景だ。
夏にピッタリの曲です。ぜひ聴いてみて。
マリリンに逢いたいの紹介です。
今はなくなってしまった座間味のシンボル、三角屋根の建物が映っていて懐かしいです。