居場所があれば子供は変わる?
沖縄大学が無料で行っている土曜教養講座を視聴した。
「沖縄の子どもの貧困対策の到達点とこれから~10年目に向けて私たちが取り組むべきこと~」
というなんとも小難しいタイトルであったが、関心のある内容。
春に「遠いところ」という沖縄を舞台にした映画を見て以来、若くして子を持った女性や夫婦が貧困の中で暮らしている問題に関心を持ち始めたためだ。
この講座の中では4名の方が登壇し、貧困対策のこれまでとこれからについて語った。
4つの自治体から、役場・株式会社・NPO 法人・一般社団法人と立場の異なる方々が語るスタイルが聞いていて興味深かった。
ここからは思いっきり個人的な意見を言わせてもらうと、役場の方がおっしゃることは歯切れが悪く聞き終えた後「それで?」という言葉が真っ先に浮かんできた。訴えたい部分がぼやけていて、私には理解ができなかった。
課題が明確に語られているとわかりやすく、共感もしやすかった。
それぞれの登壇者が高校を中退した10代の子供たちが再び就学や就労、場合によっては通院をして、社会に出ていけるようつなぎ役の支援を行っていることが理解できた。
通信高校に進学した生徒も対象にして、継続支援する自治体もあり、頼もしさを感じると共に必要性を感じることもできた。
適切な支援(=切れ目のない支援)があれば人は成長する、と語られた時にふと疑問が浮かんだ。
では、どこまで継続すれば良いのだろう?
支援が切れてしまった時のセーフティネットとしては何があるのだろう?
新たなる疑問だ。
そもそも自力で成長することの大切さは教えているのだろうか?とも思った。
最後に登壇した方の言葉が最も響いた。
運営されている子供の居場所施設は10年間、職員が変わっていないとのことだった。
10年間同じ方が居続けるというのは、職員がコロコロ変わる福祉業界の中で奇跡だと思ったし、強みになるとも感じた。
学習支援も行っているそうで、小学生のうちは勉強を教えるというより、共感力が一番重要という一言がとても良かった。
まずは「わからないよね」と一緒に考える。
子供たちは一通りぶーたれた後に、やる気を出して自ら学ぼうとするのだそうだ。
子供の居場所施設のあり方として、オープン型であること、常設であることが重要と強調されていた。
そのためには補助金を家賃に充てられると良いのにと話していた。現在、補助金を家賃に充てることを認めていない自治体が多いそうだ。
運営する上でネックとなるのは家賃と人件費だと思う。それは素人でもわかる。
家賃と人件費に補助金を充てられるようになると、救われる子供は増えるのだろうか?と考えていると、
「今」必要な支援ができることで、安定した土台を造れる。
知っている人や挨拶できる人がいることが、通ってくる子供にとって居心地の良さを感じさせる。
と納得のいく言葉で締めくくられた。
なるほど。常々「孤独は人を悪い方に向かせる」と感じていたが、居場所があると明るい方に目を向けるチャンスに恵まれるのか。
合点がいった。