あちらしけーさー、たじらしけーさー。
昨日はいつもの沖縄料理屋へ。
お腹が空いていたので、店に入るなり「ソーミン(プットゥルー)」とオーダーする。
何とも愛想のない話ではあるが……。
お通しは3枚肉の煮物とぬか漬け。
三枚肉は味がしみしみで、一緒に煮た大根もうなるほどうまかった。
味がしみしみのことを沖縄では“あじくーたー”と言う。
ぬか漬けもちょうどいい加減に漬かっていて、一気に元気が回復する。
ソーミンプットゥルーの出来上がりを待てず、お通しをおかわりする。
ねぇね(女主人)も慣れたもんで、さっとお代わりを出しながら
「ソーミンもうちょっと待ってね〜。いまあちらしけーさーしてるから」と。
あちらしけーさー。
ねぇねの口からさらっと発されたこの言葉。
あまりにサラッとしていて、うっかり聞き逃しそうになったが、寸でのところで気がついた。
初めて聞く言葉。
そっと携帯で調べる。
あちらしけーさー:何度も温めて、冷ましてと繰り返すこと
このうちなー口(沖縄方言)は初めて聞いた。
またひとつ沖縄に詳しくなったぞ!
そして、ソーミンプットゥルーは今日もうまかった。
あちらしけーさーと似た言葉で、たじらしけーさーという言葉がある。
たじらしけーさー:ぐつぐつと沸騰させること
こちらの言葉は那覇にある松本料理学院の学院長、松本嘉代子先生から教わった。
トップ画は、私の大好きなイナムドゥチ。
猪モドキ、という名の沖縄郷土料理だ。
イナムドゥチはあちらしけーさーして、コーンポタージュのようにとろみが出るまで火を通すととっても美味しく仕上がる。
イナムドゥチは、何種類もの具材を一つ一つ同じ大きさに切っている。
食感も良くなるし、口に含んだ時に食べやすい。
おもてなし文化の沖縄が生み出した、手の込んだおいしい逸品である。