常宿の庭で物思い
那覇の常宿は庭にパワーが満ち溢れている。
植物が驚くほどよく育っているのだ。
イスに座り眺めているだけで、元気のシャワーを浴びている気になれる。
普段はマイナスイオンなんて意識もしない。
大きな木を見たり、花が咲いているとうれしくなるが、立ち止まって眺めたりも、しない。
沖縄は街中でも植物がよく育つ。
土壌が豊かなのか、気候の恩恵なのか。
しかし、放おっておくとジャングルだ。
ジャングル力を秘める暴れ感が好きで、暇さえあれば庭のイスに座る。
ここの庭は雨上がりの躍動感がたまらない。
植物は水を浴びるとより一層エネルギーを放つ。
自然のエネルギーとつながる大切さ。
常宿の庭にいるとしみじみ感じる。
噛まれると強烈に痒い蚊が飛び交い、
ひらひらと蝶も舞う。
大木には鳥が卵を産み雛がかえり、
飼い猫が野性を取り戻して襲う。
とんと見かけなくなった蛇が這うこともあるらしい。
写真には写らないシビアな事情も合わせ持ちながら
自然は息づく。
気がつくと人間の生死や
自然界の食物連鎖に思いを馳せる。
焚き火を見ている時の物思いと少し似ているかも。
静かに在りのままを眺める。
日頃、なかなか耽けることの出来ない
物思いに気がつくと入り込んでいる。