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それって本当に天災なの?マカピーな日々#0471

マカピーです。

大前研一さんが、先の熱海での土石流災害についてコメントされていました。

 世の中どうなってんの…?大前さん!━━━━━『 大前研一 ニュースの視点 』2021/7/16 #889


日本に限らず、住宅地が災害に弱い場所にあるケースが沢山ありますので、災害発生前に自分の住んでいるところがどんなところなのか、ちゃんと知る必要があります。


ヨルダンの砂漠地形ではワジと呼ばれる「涸れ川」が沢山あります。文字通り普段は水(表流水)が流れていません。

しかし地中深いところで地下水はあるようで、扇状地のように水脈は伏流してしまっているのです。

普段乾燥している砂漠にも突然豪雨が降ります。

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乾いた土地ですから、しばらくはどんどん雨水を吸い込みますが飽和状態になると、表流水が広範囲で低地に向かって流れ始め、数時間前までの涸れ川は濁流逆巻く大川に変貌してしまうのでした。

洪水は鉄砲水状態で押し寄せると、簡単に道路の橋げたを吹き飛ばしてしまったり、民家を飲み込んでしまう被害を及ぼす事にもなります。

数年前にあったヨルダンの事故が思い出されます。地元の学校生徒が参加していた渓谷を遡上する体験ツアーでは、雨水を貯水できなくなった上流のダムが警報なしに放流してしまい、生徒やガイドは鉄砲水に押し流されて、彼らの遺体は「死海」で発見されたそうです。

この事故では観光大臣が辞任させられたとかありましたが、マカピーが滞在中にようやく押し流された橋が再建工事は開始された程度の進捗状況でした。

ところが人命にかかわる警報システムの改善があったかというと、「思わぬ豪雨」で災害が発生するたびに、政府を非難するニュースを目にして遅々として進んでいない様でした。

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前述の大前さんの説明にもありましたが、日本でもこうした自然災害の発生予測に基づいたハザードマップが出来ているのですから、行政はその危険地帯に民家建設を許可してはいけないし、順次代替え地への移転をさせない限り同様の被害が発生するでしょう。

マカピーが学生時代、「人文地理学」(教養)でのモリヤ教授の講義が印象的でした。

教授:「君たちも将来、自分の家を建てることがあるだろうが、こんなところに家を建ててはいけないぞ。まず盛り土地形で大雨が来たり地震があったら地すべりする。次に昔河川や沼沢地だった埋め立て場所は地震が発生したら液状化する。それから太平洋側海岸地帯では巨大な津波の被害が必ずやってくるんだ」

教授:「では、どうやって自分の家を建てる場所を調べれば良いか? それは明治初期以前の古地図を探してきて見る事だ。対象地域の造成以前の土地利用が分かるんだ。将来自分の家族も災害に巻き込みたくなかったら覚えておくことだ!」

教授:「これだけボクが口を酸っぱくして話しても、多くの人はそのアドバイスに従わないのをボクは知っている。でも今日僕が話したことを覚えておけば、いつか災害が起きた時に君たちはボクの言ったことを思い出すだろう」

この教授は、イランの地震を調査に出かけて休講することがありました。その後の講義では、地震の状況よりもイラン国内情勢がかなりひっ迫している事を熱くマカピーたち学生に語るのでした。

教授:「地震を調査に行ったんだけど、パーレビ王朝のイラン政府はもはや機能していないのがハッキリわかったから、日本大使館にもその事を伝えたんだ。そしたら『そんな事、他で言わないでくださいよ』って大使館員に言われちゃったよ。でもこれだけはハッキリ言えるシャーは終わるよ!」

この講義の数日後で、本当にイラン革命が発生しました。


次の人文地理学の講義で、いつもの階段教室に現れたモリヤ教授はマカピー達学生を見渡しながら開口一番、

教授:「イヤー、前回の講義でボクの言った事が本当になっちゃったよ。シャーのパーレビ王朝が崩壊してホメイニさんが指導するイスラム国家になっちゃったよ!自分でも口にしていたけど革命が成立しちゃうとは・・・自分自身が一番びっくりしてるんだ!困ったなア

といつもの自信たっぷり語り口が消えて、なかば呆然と自分が見てきた革命前の状況を語っていたのを覚えています。

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。人は過ちを繰り返し続けるのでしょうか?




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