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援助物資を食べる時 マカピーの日々 ♯1607
マカピーです。
イフガオ州の山岳地域で採れた貴重なイフガオ米を焚いてくれた,大家さんにあたるグロリです。
ところが、昨晩彼女の妹のフロレンスの作ってくれたビーフン料理も昨日持ってきてもらった容器一杯の煮たバナナとサツマイモもあるのに、更にイフガオ米を3合ほど炊いたのでした。
「アララ、私はこんなに食べ物があるって忘れちゃったのよ。ホホホホ」
相変わらず悪気のない「能天気」な返事が返ってきます!
マカピーは昨日の残り物を先に片付けようとバナナとサツマイモを食べていたのですが、これ以上の追加のご飯は胃の腑が受け付けなさそうです。
ところがさらに小さな鍋で何か煮始めたグロリに尋ねました。
「え、今度は何を作っているの?」「ウィスキーと猫の餌のご飯よ。ホホホホ」
「イフガオライスがこれだけあるし、それより昨晩のビーフンも食べ切らないからそれをあげればいいんじゃないの?」「そうだったかしら。ホホホホ」
その時にグロリが手にしていた1㎏袋にマカピーの目が釘付けになりました。
「Fortified Rice(強化米)」はいいのですが「Donation not for sale(贈与販売禁止)」
「ちょっとその袋見せてくれる?」「Feed my sturving child 飢えた子供に食糧供与」というロゴがあり米国からの贈与品だったのでした。
「どうしてこれをグロリが持っているの?」「ああ教会で子供たちにこのご飯を食べさせるのよ」
「美味しい?」「まあまあね。それだけでなくココナツミルクなどを加えて食べるんだけど、保存していたら袋がネズミに喰われちゃったのと中に虫が湧いたので貰って来て犬にあげることにしたの」
この袋の説明によると、この1㎏袋は無洗米状態で更に加工大豆が入っていたりして、鍋に袋の中身を入れ更に1.4リットルの熱湯を入れてかき混ぜた後弱火で20分ほど煮ると出来上がるのだそうです。
どうしてこんなものがここにあるのでしょうかね?
イフガオ州ってこうした援助物資が必要な地域なのでしょうか?
確かに少数民族が多くくらし、農業生産性も低く貧困地域ではありますが。
それとも教会系に配布されているのかしら?
他に必要な紛争地域や難民キャンプはあると思うのですがここに流れてきた理由は何かしら。
それでも有効期限は来年1月までとありましたが、そのステッカーが2重貼りされていて誰かが期間を勝手に延長しているような気もしました。
実はマカピーが子供の頃、米国からの援助物資のミルクを学校給食で飲んでいた思い出があるのです。
脱脂粉乳で美味しくない代物でしたが、味に敏感でなかったマカピーは他の人の分まで飲んで成長したものです。
実はマカピーが幼年期を過ごした群馬県の田舎では酪農家がありそのミルクを買い取って子供たちに飲ませればよかったのに、安い?援助脱脂粉乳で賄っていたのはどういう訳なのでしょう?
今さらながらに再考してみると貧しい農村地帯での給食費負担減を狙う行政的な苦心もあったのかも知れません。
マカピーは学校で東京に出て来てから京浜地区で育った同世代から学校給食でも、ちゃんとした瓶に入った牛乳を飲んでいたと聞いて、貧しい群馬の地域にまわって来た援助物資の消費地だったのかと疑ったものでした。
確かに「ララ基金」とか、米国の沢山の物資が日本に贈与され戦後の食糧危機を救ってくれたらしいですが、マカピーが育った1960年代はそれほど厳しい状況ではなかったようにも記憶していますが、それでも地域差もあり我が家は比較的恵まれた家庭であったのかとは思います。
さて、小学校の夏休みに入る前に学校から渡された脱脂粉乳の袋は、既にカチカチに固まっていてとても飲める状況ではなく、さりとて捨てるのにはもったいないのでそれを金づちで割って、それを飼っていたブタに与えたことを思い出しました。
後年、こうした援助物資の中の乳製品は、本当は米国で養豚用に製造されたものを流用していたという記事を読んだ時、マカピーは口の中に当時の脱脂粉乳の粉っぽさを感じたのでした。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。突然いろいろ思い出すものです!
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