花の香りで始まる仕事 マカピーな日々#0282
マカピーです。
ベトナムのハノイで毎朝職場に通うのにバス通勤をしていました。当時外国人でも定期券を購入すれば毎月1500円ほどでハノイ市内の全線乗り放題だったのです。(学生は更に格安です)
ただし路線が複雑に入り乱れ、しかも行きと帰りのルートが違うのです!
マカピーはホータイ(西湖)の地区に住んでいたので職場のあるコーザイ地区地区へ行くバスはホーチミン廟入口近くのバス停から乗り込みます。
この近くには米国の爆撃機B52関連の軍事博物館、それに近くで撃墜された米軍機が今でも残骸の一部をさらしている池もありました。
いわゆるベトナム戦争における米軍による北爆を物語る遺構が今も沢山あります。
もっとも、世代交代が進み戦争世代が消えつつある今ではその記憶も風化しつつあります。
そしてハノイもかつてのゴチャゴチャ入り組んだ街並みが整備され再開発が進んでいます。
確かに一たび火事が起これば消防活動が困難な路地が沢山ありますし上下水道の整備もなかなか困難です。
そんな街並みを見ながらバス停に向かうと時々竹籠に花を売るおばあちゃんがいました。
おそらく80歳代だと思うのですが、おばあちゃんの顔はシワシワで洗いざらしの木綿の作業着にノン(菅笠)姿でビニル袋に入れた花を木の葉小さな包みにして竹籠に並べていました。
ベトナム語が不自由なマカピーは「カイナイ バオニュー?(いくら)」と尋ねてもまず発音がまずいので理解されないんです。
もっともそれに答えてもらっても「××ドン」というのが聞き取れず、やむなく財布から札をだして選んでもらいました。ああ、2000ドンなんだ。
マカピーが買うのはチャンパーの花でした。日本のモクレンの仲間(マグノリア)で小さな白い花弁ながらとても強い芳香があるのです。
それからジャスミンの花を一緒に買うこともありました。ちいさなプラスチック袋に入れてもらうのですが乗り込んだバスの中でも楽しめるようにいつも袋の口をほどいて香りが車内に流れるようにしました。
仕事場のテーブルの上に水を入れたソーサーにチャンパーやジャスミンを入れておくと部屋が一日気持ちの良い香りで満たされました。
2年半ほどハノイで勤務したのですが、マカピーは毎朝始業前30分早く出勤して部屋と廊下の掃除をしました。
子育てで忙しい秘書さんが現れるのはその後でした。マカピーは彼女の代わりに掃除をしていたのではなく掃除が好きだったんですね。
単純作業をするといろいろアイデアが浮かび、その日の一日の計画が頭の中で練り上げることができました。
「マカピーさん、いつも花をありがとうございます。いい匂いですね」
「うん、そうだね」
ベトナムでの仕事の始まりを思い出しました。もう少しするとテト(ベトナム正月)ですね!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。寒いですから暖かくすごしましょう!
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