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なんで来館者がいないの? マカピーな日々#0767
マカピーです。
市の郷土資料館へ行ってきました。
何を隠そう、マカピーは利根川や江戸川の水系にとても関心があるんです。
学校で土木や水文学をやっていたわけではないのですが、いろいろな国をめぐってみて、改めて日本は水が豊かな国でその利用も昔から発達していたと思うからでした。
そして、マカピーの住んでいる市でも利根川水系の灌漑用水路が市中を貫き毎日そのほとりを歩いているので興味を持ったんです。
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もちろん郷里の群馬の村にも『天狗岩用水』と呼ばれる古い用水路がありました。これは昔、掘削工事をしていた際に大きな岩が出てきて、幾日も工事が進まなかった際に、天狗が現れてその岩をのけてくれたという言い伝え(故事)によるものです。
子供のころにはその名前と、勢いよく流れるその水量に圧倒されていたのですが、今車窓から見ると何の変哲もない水路にしか見えないのですが。
マカピーが現在住む市には利根川から取水した『葛西用水路』があります。江戸時代に作られた灌漑用水路ですが、現在はコンクリートによる護岸工事がしっかりして侵入防止フェンスで囲まれています。
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ところが、近くに住んでいる農家の年配者に聞くと「ここは古利根川と呼ばれていて東京湾に向けて流れていたんだよ」って言うのです。
あれ?茨城と千葉県の県境を銚子に向かって太平洋に流れ込むのが利根川だと思っていたのですが、どうやれそれは人為的に流れを変えさせられた結果だったようです。
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つまりは江戸を洪水から守るために利根川沿いのこの地域は昔から堤防を築いてその運営にあたっていたというのです。
でも、洪水では災害をもたらす水も農業や生活には欠かせないものです。人間は昔からその微妙なバランス調整に苦心してきたわけです。
かつて住んでいたヨルダンにある『ペトラ遺跡』では砂漠地帯に降る少ない水を集める見事な技術が発達していました。
いまでも岩壁の回廊(シーク)沿いに水路がめぐらされてあり、更に各所に小さなダムや貯水池の遺構が残っていてその叡智に驚かされます。
さらにローマ時代以降にできた神殿の近くには大きな水浴場や噴水まで作っていたのですって!(砂漠の中に5つ星ホテル並みのゴージャスなプールですって!)
もう、ローマ人ていう人々は、やたらに征服した土地に、神殿、コロシアム、円形劇場や道路そして必ず浴場を作ってますね!
ローマ人って日本人と同じくらいお風呂が好きなんでしょうね?
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しかも水利の悪い山岳地域でも水源から延々とトンネルを掘って水を引くというとんでもない離れ業をやっています。
つまりものすごく発達した水利技術や土木技術があったからあんな都市を作ることができたんですね。
ヨルダンの首都アンマンにもローマ時代の遺構は沢山ありかつてはフィラデルフィアって呼ばれていたって知ってます?
アメリカにある同じ名前の州がありますが、こっちのほうがオリジナルです!そこにも大きな古代の風呂場があります(現在は枯れあがってますけど)
そのアンマンから30㎞程北部にあるジェラシュ遺跡には映画『ベンハー』(チャールトン・ヘストン主演の古い映画です)でも熱戦が繰り広げられたあの騎馬レース場の遺跡もありますし、更に北部の『ウンムカイス』もちろん浴場跡や噴水の跡もあります。そしてたくさんの神殿や円形劇場の通路をみると大きな石畳に穴がいているんですね。
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実はこの穴は下水につながっているのです。
地中海性気候のこの辺りでは冬場には雪や雨も多いのでその水利用はとても大切なことだったんですね。
砂漠に点在する『ウンムアラサス』などの都市遺跡にも井戸がたくさんありました。日本で見かけるような釣瓶(つるべ)を持った井戸もありますが、地下貯水槽を設けて住民の生活を支えていたし、古代の城でも同じように貯水槽を備えていました。
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中央アジアのウズベキスタンで見たカレーズは荒野に隧道(トンネル)状の地下水道が掘られていて、天井の土が落ちたりしたものを定期的に掃除して管理するので点々と井戸状の穴が掘られていてかきだした土が盛られているので、遠くからでも水路のありかがわかるのでした。
さて、マカピーが見た今回の特設展では、年代ごとに土地と水利状況の変化の様子や、それにまつわる歴史的な経緯がわかりました。
でも、もっと面白くできないかなあ?!
せっかく市で企画展をして編さんしている人、展示する人がいるはずなんだけど、平日でもマカピー一人しか来ていないんですよ。
確かに資料館が市の中心地からかなり離れた、辺ぴな場所にあるのも確かなのですが、それにしても駅にポスター貼っても数人しか来ないんじゃあもったいない。
もしかしたら利用者が少ないので資料館そのものが税金の無駄遣いだって「廃止」されちゃうかもしれませんよね。
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もったいない!こんな面白い話題なのに。
来館者の来ない理由は、展示内容が地味で若者受けしない企画だからだと思うんです。
じゃあ、どうすればいいのか?
お笑いタレントを呼んだりすればいいってものではありません。
結局のところ若者の巻き込みがないんですね。
市が地元の高校に働きかけて、ビデオを製作するってのはどうでしょう?
彼らの目線で「用水路ってなんだ?」「洪水はどうして起こるんだ?」「水はとこからきてどこへ行くのか?」「利根川や江戸川ってかつては輸送の大動脈だったってどういうこと?」
現在はスマホで映画ができる時代でユーチューバーを目指す若者も沢山いるんです!
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だから、市がバックアップ提案して、彼らに調査して企画を練ってもらいビデオを製作しコンテストをし、優秀作品を市が利用して来館者に見てもらうだけじゃなくて市のウェブサイトからも見られるようにするんです。
今回の企画展での小さなパンフレットをもらいました、文字が小さくて読めないので虫眼鏡で拡大したら判読できないほどのピクセルでした。
もう、こんな印刷物に頼るのはやめにしたほうがいいです!
ちゃんと画面でしっかりと拡大できる画素数を持ったデジタルな資料が必要なんです!それにカラー印刷で費用がかさんだりしたりごみを出さなくて済むんですから。
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こうした企画を年配者がやっているから、どうしても旧態依然とした内容で学校の授業で強制的に連れてこない限り来館しない若者に「最近の若者は郷土愛がない」的な発言をするとすれば大間違いだと思います。
うまく彼らのやる気を引き出せば面白いことができるはずです。
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そういえばウズベキスタンの灌漑用水路では、夏ともなれば近所の子供たちがスイミングプールとして「流れ」を利用して楽しんでいました。
金網で「危険」「溺れる」と叫ばずに、ライフジャケットをつけさせてカヤックやカヌーをやってみたりしてもいいかもしれません。
そのまま泳いでもいいかもしれません。
そしたら、エコって何なのか?考える機会にもなるでしょう?
小規模発電をやったり、広い面積の一部で太陽光発電をしてもいいと思います。そうした企画を若者を入れて取り組めば、自然と川や用水路にもっと関心を持ってもらえるし、郷土愛が生まれてくるでしょう。
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そうだ、さっそく市役所に申し入れてみよう!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。まず楽しむことから始めよう!
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