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味気ないコーヒー マカピーの日々 ♯1616

マカピーです。
まだハナさんがいませんがハマナスレストラン撤収作業を開始しました。

正直なところ、マカピーは一年あまりでのレストラン事業撤退は予想していませんでした。

それは、このままなんとかやれる手ごたえがあったからです。

大きく儲かることはありませんでしたが、雇ったスタッフに給与も支払えなんとか回転していました。

フィリピン出発前の7月のマカピー誕生日では、スタッフの一人であるサリナ達が踊りを披露してくれて、「このスタッフに任せて大丈夫だ」と思ったのでした。

ところがマカピーに続いてハナさんがフィリピンに来てしまうと状況は暗転するのでした。

レストラン経験のあるというソリヒンとアジズの2人に任せたのですが、たった2ヶ月足らずで回転資金が尽きてしまい、9月13日には店を閉じる事態になったのです。

マカピーはその事を知りませんでした。

ソリヒンは新たに巻き直しを図り、自己資金を投入し10月5日に再度店を開くのですが客足が戻らず同月24日には再閉鎖でギブアップ。

そうした事はマカピーがこちらに来てからソリヒンに聞いて分かった事です。

マカピーは彼に何か特別な理由があって状況が悪くなったのかを尋ねるのですが「場所が良くない」「駐車場もないから人が来ない」との事でした。

それはハマナスレストランが開店してからずーっと同じ状況で周辺の店も同じ条件でやっているのでした。

だから新鮮な食材を欠かさず市場で仕入れ、店内外をいつも清潔に保ち・・・と至極まともな事を続け営業してきたつもりなんですが、それが彼らには無理だったようです。

新しいメニューや奇をてらった若者向けの新商品開発は軌道に乗ってからした方がいいかも知れませんね。

つまりこうした事態になったのはマカピー達の「人を見る目」が無かったということですね。

さらに車も仕入れ等に必要なので貸与していたのですが、ソリヒンはその車で高速走行して犬を轢いてしまい、ラジエターグリルが破損走行不能になってしまって今日に至ります。

今日、もう一度問いただしたところ、事故は今月ではなく先月11月の11日頃だったというのです。

マカピー達が初めて聞いたのは12月11日で一か月間も黙っていた事になります。

ソリヒンは警察に勤める父親叱られることが怖くてずっと黙っていたのです。

勿論アジズにもかん口令を敷いて。

早く対応すれば警察の調書をつけて保険求償ができたのに。

ヤレヤレ。

この事をフィリピンにいるハナさんに伝えると、「二人にけがが無かったからいいようなものの、許しがたい連絡不足と会計の杜撰さ」と相当に憤っているのでした。

12月になって、マカピーが帰ってくるというのでソリヒンの家でくつろいでいた二人は、慌てて戻りレストランのキッチンの汚れ物を片付け始めたところだったのです。

最初はマカピーも「ああ片付け始めたんだな」と付け焼刃的な清掃の後の、二人の様子を見ていたのですが週が明けても二人はグターッと部屋で寝そべってスマホを見ているだけなのです。

そうか、我々がいない短期間に15歳のアジズはソリヒンの徒弟となってしまい、行動から髪型さえも同じくしているのでした。

ダメだこりゃ。

朝食が終わり、マカピーは一人階下に行ってキッチンのかたずけを始めました。

階上にあるものも階下に運び、彼らのいる部屋の前で作業をしていても一向に二人が出てくる気配が無いので窓を開けて大声で言いました。

「いつまでも寝てるんじゃない!さっさと起きて片付け作業を始めなさい。バカ者!」

その後三人は黙々と作業を続けました。

もう汗びっしょりで、マカピーは途中でコーラを買ってきたりしましたが殆ど休む暇はありませんでした。

だいぶ片付いたところで、マカピーは近所のクッション屋のユスナのところから脚立を借りて来てネズミ撃退の「まもる君II」の取り外しにかかりました。

これは日本のメーカーである「アドキン」さんから特別にモニター試供品として2セット提供いただいたものです。

これはハナさんもお気に入りで、「フィリピンでも使おう」という事になっていて洗剤を溶いた布で幾度もその機材とコードを拭いたのでした。

ボクが作業をしていると、シャワーを浴びたソリヒンが「アジズが夕食を作ったから食べてください、ボクはこれから外に行きます」

「了解」

テーブルにはイワシのフライと白米が4尾ありました。

聞きたかった事がありマカピーが「アジズ!」と呼びかけると返事がありません。

部屋を除くと誰もいません。

ああ、二人で出かけたんだ、ナルホドね。


マカピーは、フッと目の前の椅子の上にフィリップス製のコーヒーメーカーがある事に気が付きました。

長らく使った事がありませんが、そうだコーヒーを淹れて飲もう!と閃きました。

階下の飲み物コーナーを片付けていると大きな焙煎し挽いたコーヒーの袋が見つかりましたし、プラスチック容器に入った少量もあったので階上に持ってきていたのです。

それで久々にコーヒーを入れる事にしました。2杯分の水を入れ、紙のコーヒーフィルターが無くても細かいメッシュがあるのでOKなのです。

食事をして食器を洗い、洗濯機で汚れ物を洗濯しながらシャワーをしてコーヒーで疲れを癒そう!

ルンルン!

ところが期待し久々に淹れたコーヒーは、全くアロマが消えていて、ただ単に苦い飲み物になっていたのでした。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。人生を楽しみましょう(笑)





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マカピー
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