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ウチの子にならない?マカピーな日々#0086

マカピーです。

散歩の途中に畑から放り出された球根などがあると持ち帰ってきます。「ウチの子にならない?」って。そんな植物がいくつかあります。(ちゃんと園芸店で買ったのもありますよ)それから実家の周囲に自然に生えていた苗木もいくつか根付いています。

マカピーが子供の頃に床屋さんに行くのですが、そこのおじさんがいつもマカピーに尋ねるんです「なあ、ウチの子にならないかい?」「・・・・・」「お小遣いもあげるよ!」「!」「いくらほしいのかな?」モジモジ。

マカピーはあの家の子になったら、チョコレートやキャラメルが沢山食べられるかなあ?やっぱりお百姓よりあっちの方が儲かるんだろうなあ。幼くしてかなり金の亡者だったのでしょうかね?

家にある小銭入れのある文箱の中からお金をくすねては近くの駄菓子屋で買い物をしていたから、うちの大人には分かっていたんでしょうね。

ある日おばあちゃんに見つかって、腕を締め上げられました。

「お前は、盗みを働いているのを分かっているのかい?それを続けていたらまともな仕事に就くことも出来ずに刑務所に入る様な人間にならなければならなくなるよ」「・・・・」マカピーはあまり怒られたことないおばあちゃんがいう言葉が怖くて怖くて声を殺して泣いていました。

今でもお金をくすねて捕まった事と「ウチの子にならない?」がセットになって思い出されるのはどうしてでしょう?

幼いうちに大切なことを教わることができて、今ではマカピーは感謝しています。やっていけない事を思うときに心が痛く感じるのはそうした経験があるからなのでしょうか。

そのころの田舎の家には鍵がかかっていませんでした。あっても鍵をかけませんでした。おおらかと言えばそうですね。今ではとても考えられない事ですが本当にあったことです。

マカピーは中学生になると、よくどもたちの家に遊びに行きました。たいがい夜中なのですが玄関から入るとガラガラと引き戸が鳴るので大概は、裏のカシの木立をスルスルと上って二階の友達の部屋に窓から入り込んでいました。

さすがにそんな土地柄でも、犯罪が増えてきました。決定的だったのは数年前に実家に泥棒が入っていたそうです。空き巣でなく母が居間にいるのに裏の窓からこっそり入ってガサゴソと犯行に及んでいたのが発覚して「おかしいな?だれかいるの?」って犯行現場に出くわし、犯人が逃走していったそうでその後駐在さんが表れて現場検証となったと聞きました。ヤレヤレ。

その事件以来、常に窓にも鍵をかけるようになったという事です(オイオイ、やっとかい?)更に兄は家の周囲に感応式のフラッドライトを設置するようになりました。夜遅く帰ってきて静かに家に入ろうとしてもピカーッと照らされるので、罪悪感が生まれますよね、あれって。

友達の家も同じライトが反応するようになり、勝手に二階に上ることができなくなっていました。もっともそんなことをする子供も今はどこにもいません。

日中忙しくても、若い連中は、何にか面白いことが無いかと夜な夜な集まったりするのは今も昔も変わりません。高校生の頃の事です。

「おい、腹減ったなあ」「そうだ、どっかの畑でスイカが大きくなってたなあ」「どこに?」「どこでもいいや、近くの畑から一つ持ってこいや」「じゃあ、ジャンケンだ」・・・・・・。   「ほれ、お前が行ってこい!」仲間の一人がすごすご出かけて行きました。

「お、帰って来たぞ」「いい大きさだな」「じゃあ、そこの石にで割って食べるぞ」・・・・「おお、けっこううまいなあ」「ほんとう、うまいうまい」

「おい、ところでどこの畑から持ってきたんだ?」「あん? この道を下って行って線路沿いに川の方に行くと踏切があるよな」「ああ、あるある」「それを渡って直ぐ、右手の畑にあったんだ」「なんだ、おまえ、それじゃあ俺んちの畑のスイカじゃねえか」「笑、笑」

マカピーは幼馴染と何でもない昔話をしたくなることがあります。コロナ禍で動けずにいたら、久々に幼馴染から連絡が来て「久々に温泉に行こう」「そりゃいいなあ、行くぜ!」と二つ返事で答えました。

彼らにも一度聞いてみたかったんだな。「ウチの子にならないかって聞かれたことあるかい?」ってね。

マカピーでした。


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マカピー
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