BKKタクシー奇譚 マカピーな日々#0398
マカピーです。
知っている方もいるように、タイの首都バンコクはBKKと略します。空港の略字から来ているのでしょね。(TYOは東京)
そのBKKのタクシーの奇想天外の面白さに出会あえたのは、マカピー妻のタイ語能力のおかげです。
その1)マカピーの新婚旅行で出会ったタクシー。
タクシーを利用する際は呼び止め運転手の隣にマカピーが座るのは大概の運ちゃんが男性だからです。でもマカピーはタイ語をしゃべれないので、その後はマカピー妻が運ちゃんとのやり取りしていました。
妻:「・・・・この運転手、完全に勘違いしているよ!」
マ:「どうしたの?」
妻:「彼は一目であなたが日本人とわかったけど、私がタイ人妻であなた連れて東北タイ(イサーン)の里帰りに来たと思ってんのよ」
マ:「え?イサーン女性に似てんだ?」
妻:「バカね。この運転手が勝手にそう思い込んでんのよ!」
その2)空港から市内のホテルに向かうタクシー。
その運転手はやたらとキョロキョロとして挙動不審なのでマカピー不安になったのです。
マ:「なんかこの運ちゃん変だよ。何か探してんじゃないの?ちょっと運ちゃんに聞いてみてよ」
運ちゃんと話した後で、マカピー妻が教えてくれました。
妻:「この人ね、先週まで会社の社長だったけど会社が倒産したんでタクシーはじめたんだけど、今日が客を乗せる初日で不安なんだって」
大丈夫かなあ?
って思っていたら突然、マカピー妻が何か運ちゃんに叫んで運転手が急ハンドルを切ったので後ろの車からクラクションを浴びました。
マ:「おお!どうしたんだ?」
妻:「この人、BKKの道路知らないのよ!さっき標識も見ないで一方通行道路を入ろうとしたから、入れない!って叫んだら慌てて事故りそうになったのよ。会社の運転手付きの車ばかり乗ってたので自分で運転したことないって謝ってたわ」
マ:「うーん同情するけど、もうこの運ちゃんのタクシーはいいや」
その3)友達との待ち合わせに遅れそうな状況、しかも更にタクシーが来なくて焦っていた時に現れたタクシーはシャコタンだった。
乗り込むなりマカピー妻が行く先と、事情があって急いでいると告げるとこの若い運ちゃんは「フン、でもこれからそこの先で給油する」というのです。
「なんだ、これから燃料入れんの?もっと遅れちゃうよ・・・」と、がっかりしたものです。
ガソリンスタンドに入った時に、マカピーはダッシュボードの上にある運転手の写真と彼の顔を見比べると全く違う顔だと気づきました。
マカピーの様子を見た彼は、後部座席のマカピー妻に何やら説明したのでした。
妻:「彼が言うのに、その写真は友達のもので、彼はアルバイトでこの車を使ってるんですって」
マ:「フーンそうなんだ」
でも、この車のハンドルがレーシング仕様のように小径で、しかも彼は指抜き皮のグローブをはめているのはどうしてなのかな?
給油が終わって車が車道にでると、突然エンジン音が変化したのです。
なんと、この車は公道レーサー並みにチューンアップされていたのでした!
ヤバーっ、と思う間もなく、運ちゃんは表情を消して渋滞を縫うようなアグレッシブな走行を始めたのです。運ちゃんの隣にいるマカピーは体が硬直しました。
マ:「アー、やめて!ぶつかるよー!」と声にならない悲鳴をあげました。
車内は運ちゃんのくり出すシフトチェンジの音だけ不気味に繰り返され、マカピー妻も「もっとゆっくりと」声を発することが出来ませんでした。
こんな路地に入っていいの?という狭い道路を猛スピードで抜けるのですが子どもでも飛び出したら完全アウトです。
あれ、そこは行き止まりでしょうと思える路地を絶妙なハンドルさばきで直角に抜けたとおもったら大きな通りに飛び出しカウンターステアリングで車体がスライドした時は死んだ!と覚悟しました。
気が付けばゴーっとうなるようなディーゼルエンジンを全開で走る路線バスにピッタリくっつくように走行して、更にそれをグオーンと追い抜いらまた狭い路地に突入するのでした。
その後はマカピーの神経がマヒしたようで「もう、好きにしてちょうだい」とフラフラになった頃、運転手がマカピー妻に「この先は一方通行で目的地の店まで行けないからその次の交差点で降りてくれ。店は目の前だから直ぐにわかるよ」
恐怖のタクシーから解放された時、友達よりも早く待ち合わせに間に合っていました。
その後彼に再会する事はありませんでしたが、もう一度乗ってみたいとマカピー妻とあの運転を思い出すのでした。
BKKタクシーにはストーリーがあります!
マカピーでした。
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