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ビジネストーク(2) マカピーな日々 ♯1652

マカピーです。
昨日の投稿の続きになります。
(サムネール写真は南アで訪れて見たケープペンギンたち)

マカピーはアジズに自分の経験を伝えながら、その中にビジネスについて話を織り交ぜ続けることにしました。

ハジさんの会社に入る

「アジズには以前にも話したと思うけど、3年前に再度マカピーがサバ州を訪れる事になったのは、マカピーが海外で出会った人からの呼びかけがあったからで、マカピー自身も土地勘もありお世話になったサバで仕事が出来るならいいなあって思ったんだね」

「マカピーもそのハジさんに気に入られて、会社の一つを任されることになったんで、喜んで名刺を作って日本で営業するようにもなったんだ。もちろん最初は今までそんな事をしたことが無かったからどうアプローチしていいのか分からないことだらけだったよ」

「ある日その会社運営の問題解決の手伝いに来ていた君のお母さんであるハナさんと、日本から戻って来たマカピーがハジさんの家で出会ったんだよ。最初は何故彼女が来た理由が分からなかったけど、ハナさんからこの会社には解決困難な問題ある事を教えてもらったんだ」

「当時ハジさんの会社の経営をチェックする会計事務所にはマカピーは新しい幹部として紹介されていたけど、まだ正式な手続きが進んでいなかったんだ。それでハナさんはマカピーがそのトラブルに巻き込まれるリスクがあるので会社を引き継ぐリスクを指摘してくれたんだ」

「もしハナさんに会わないで、あのまま実情を知らないでハジさんの会社を引き継いでいたら、法的な責任者としてその会社の債務を負う立場になっていたかも知れないので本当に危ないところだったんだ」

「一方ハナさんとはこの地方で将来性のある海藻ビジネスを調べることにしたんだ。それをハジさんに相談して会社から出資してくれるように頼んだっけどハジさんはそれに反対したんだ。本当は会社にはまったくお金が無かったんだ」

「マカピーもせっかく会社経営に関わる事になれると思っていた矢先だったのでハジさんに会社の登記問題とかについて質問すると、マカピーは心配しなくていいんだと言うばかりだったんだ。その代わりハジさんがでこれまで調べたサバで可能性のあるビジネスに関する講義をマカピーとハナさんにするばかりで呆れてしまったんだね」

「マカピーはハジさんに、座学も良いけど早く収益の上がるビジネス立ち上げをしようと提言したのだけど彼はそれに取り合わなかったんだね。それでなぜ彼が会社を興していながら、今まで具体的に事業を起こした事も無ければ1セントも稼いだ実績がなかった理由が分かったんだ」

海藻事業の顛末

「マカピーの名前が正式に登録されていないし、解決に時間のかかりそうな問題を抱えるハジさんの会社には入らない事にして、マカピーは自己資金を投じて小規模ながら海藻ビジネスを開始することにしたんだ。それにハジさんの家に住んでるのよりもそこから出て現場近くに暮らしながら事業をすることにしたんだ。それがハマナスレストラン1号店近くのあの村だったんだよ。結局はハジさんのおかげで起業が出来たってわけなんだね!(笑)」

「最初はともかくマカピーにとってもハナさんにしても初めての分野だったけど、最初は知り合いのツテで地元の海藻ビジネスを知っているジュルハジに案内してもらったことから彼と一緒に仕事をすることになったんだ。そして入手した中古Rav4に資材を満載して漁村を回り事業を開始する事になったんだけど、マカピーが一時帰国する前に購入したトラックいっぱいの資材を、マカピー達の不在中にジュルハジが内緒で資材を勝手に売りさばいている事実が分かったんだ」

「そればかりか彼に不正を問いただすと、ジュルハジは豹変してマカピー達に殺人をほのめかす脅しをかけて来たんだ。それでハナは親戚の警官に頼んでジュルハジがこちらの事業に手を出せないようにしてもらったんだ。そうそう、その警官というのがアジズも知っているソリヒンのおとうさんの事だよ!縁と言うのは不思議なものだね」

「開始した海藻ビジネスは幾度か出荷するまでになっていたんだけど、原料海藻の国際価格が低迷して全く利益が出なくなったんだ。もっともそれを見越してマカピーも日本のカウンターパートから現地で海藻を加工する技術を導入すれば付加価値のある製品を日本に直接輸出できそうだという話が進んでいたんだ。それも結局タイミングが合わずに実現できなかったんだけどね」

ハマナスレストラン事業の背景

「ちょうどその頃ハナさんと海藻ビジネスを補完するために開始したのがハマナスレストラン1号店だったんだ。そしてその経験を活かしてこの町で規模の大きいハマナスレストラン2号店も開始したんだ」

「あとはアジズも実際にレストランで手伝ってもらい知っているとおり、1号店はシェフが逃げ出したりブラックマジックの呪いをかけられたりして閉鎖。そして2号店もうまく行かなくなってしまったのは君自身がソリヒンと経験した事だったね(笑)。マカピーとハナさんでレストラン経営の責任をキミたち若い二人に任せてしまったね。ゴメン」

「今考えて見ると海藻にしてもレストラン事業を起こす時も勝算があって始めるけど、こちらの読みが足りなかったと思う。そしてたとえ努力しても価格変動とか気象変化とかどうにもならない事、ちょっとしたタイミングが合わないって事もあるんだよ。だってここのレストランの前身だってCOVID-19の影響で閉店してしまったんだからね」

事業整理と最近の状況

「だからマレーシアでの全て事業から撤退することになったんで、年末年始は海藻事業で借り上げていた倉庫の片付けと滞納していた賃貸料を支払って終わりにしたし、今はキミが2号店レストランの備品や消耗品を即売しているってことなんだよね。でもマカピーは整理が出来れば次の挑戦が出来るって事だからいい経験が出来たと思っているんだよ!」

「日曜日にアディのところへ行ったけど、あの食堂地区(ダタラン)の一角が変わっていたんだ。それは我々が住んでいた倉庫の隣で営業していた物販デリバリーの会社が移って来るって事なんだ。つまり倉庫代が高いんで逃げ出すって事なんだ」

「いつ行っても沢山の人がECサイトで購入したものを受け取りに長い列が出来ている状況を覚えていると思う。あの人たちが今度は近くに移転するって事は人の流れが変わるのでビジネスチャンスが生まれるんだよ」

「だから今後はアディの店も早くから開けて商売が出来るようになるかもしれないんだ。こうしてそれまで流行らなかった商売が他の営業の影響で変わるって事もありうるんだね!こう考えるとマカピー達もタイミングが合えばあそこでもっと商売を続けていたかもね(笑)」

アジズの即売成績

アジズに成功報酬を与える形で任せると、ちゃんと売りさばくのでした!

これにはマカピーもビックリしました。

もっとも儲けは度外視で早く店舗を空にすることが目的なのですが、マカピーはどうしても「こういう風に」「こんな値段で」売りたいというコダワリが出て来てしまうのでした。

ところが、アジズはどんどん売って行くのです。

「すごいじゃないか!」「マカピーよりずっと上手だよ!」

マカピーはアジズを褒めます。実際そうなのですから!

マカピーはアジズに毎日、どんな風にして売ったのかを聞いた後で「じゃあ明日はどうする?」って尋ねるのでした。

すると更に売り上げるのでした。

さすがにもう売る品物が品薄になってきましたけど。

ちょっと困ったのが先日ジェイソンが買った座卓セットが売り戻されてしまった事です。

マカピーは売り手が付くようにマカピーはシートにこびり付いたペイントをガソリンで拭き取ったのですがかなり良い運動となりました!

ジェイソンにはその代替えとしてステンレス製厨房機器を全部彼に渡し、更に天井の扇風機や陶器の洗面台、厨房の換気扇なども取り外すというので任せる事にして売ることが出来ました。

そうした交渉をアジズが見ながら身に着けて行く事になると思います。

マカピーが子供の頃、父親について鶏小屋作りをしたようにね。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。お金を稼って学ぶ事!


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マカピー
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