投票してきなさい! マカピーな日々#0570
マカピーです。
ニュースにかつて5年間滞在したことのあるウズベキスタンの大統領選挙があり、その記事を懐かしく拝見しました。
マカピー家族が首都タシケントにいたころはカリモフ大統領が1991年の独立以来の独走態勢という状況でした。
ウズベキスタンでは殆ど現役大統領が有利にもかかわらず、その投票率の高さにも驚くものがありました。毎回驚異の98%くらいの投票があるのです。
日本の選挙とは大きく異なりますね。
さすがに、マカピーはなぜそんなに投票率が高いのか不思議に思いました。すると1991年の独立前には民主的な選挙制度がなかったことから、新しい制度に慣れていない実態がうかがえました。
マカピーの勤務先であった看護高校も投票会場となり、普段一緒に活動してる先生方も指名を受けて選挙管理委員となり「日曜出勤」していました。
マカピーには選挙権はありませんから投票にはゆきませんでしたが後日その様子を聞いて「???」不思議な感じがしました。
それは、投票時間が終わると投票箱を持った選挙管理委員が近くのアパートを一軒一軒訪問してさらに投票を依頼したというのです。
マカピー:「それじゃ、投票時間の意味が無いじゃないですか?」
先生:「だって投票率が低いと叱られるから、もう一度お願いするんです」
マカピー:「それにどうやって投票していない人を探し出すんですか?」
先生:「いいえ、誰でも構わないから投票してもらうんです」
マカピー:「ええ?」
マカピーは某大使館の方からさらに衝撃的なお話を聞きました。
彼は選挙監視委員として独立後最初の選挙である投票所に行ったら、一人の恰幅の良いおじさんが投票用紙を50枚ほど求めたのに驚いたのだそうです。しかも係りの委員が言われたとおりに用紙を彼に渡そうとするから、さすがに止めに入ったそうです。
日本人:「なんで、一人にそんなに投票用紙を渡すんですか?」
おじさん:「誰だお前さんは? オレは会社を経営しているから、うちの従業員の分まで投票しに来たんだ!なんか文句あるのか? みんな仕事していて忙しいから、代わりにオレが投票してやるんだよ」
日本人:「それじゃ、一人一票の原理の意味がないでしょう?」
おじさん:「なんだ、その一人一票ってのは?」
日本人:「民主政治では、選挙権を持った人は自分の意志で、その一票を投じる権利があるんです。貴方みたいに代表者がほかの人の分まで投票してはいけないんです」
選挙委員「ちょっと待った! 民主主義と投票の関係がよくわからない。委員をやれって言われてここにいるけど、そんなこと誰も教えてくれなかったんだ。その一人一票ってのをちゃんと教えてくれないか?」
日本人:「ええ? 本当に教わってないの?弱ったなあ。ボクそういう立場じゃないんだけど・・・」
ちなみに彼はロシア語が流暢な方だったので、その場にいた人に説明すると「選挙ってそういう事だったのか!」とみんなに喜ばれたそうです。
マカピーの仕事場には通訳が数人いました。そのうちの二人は日本の東大に当たる大学を卒業してきたとても優秀な若者で、指導者もよかったのですが一度も日本に行ったことがないのに物凄く自然な日本語を操るのでした。
選挙の話をしていると、その一人のシコさんが思い出したようでした。
シコ:「マカピーさん、僕らが学生だった頃に選挙があったんですよ。ボクらは寮にいたんで、投票日には寮の仲間と投票してきたんですよ」
マカピー:「偉いね。日本人の学生さんは興味がなくて投票する人が少ないんだ」
シコ:「だって自分の票で大統領を決めることができるって、すごいじゃないですか!」
マカピー:「そうだね!ただ、ここと違って日本では直接首相を選ぶことができないシステムなんだ」
シコ:「それでも、日本は長く民主的な選挙をやった経験がありますからすごいですよ」
マカピー:「分かった、そういう気持ちだからここの国民は積極的に投票に行き、結果的に高い投票率になるんだね!」
シコ:「それはちょっと違うと思います」
マカピー:「どうして?」
シコ:「僕らが投票を終えて、寮に戻ってきたら学部長がきて投票へ行けって言われたんですよ。もう投票してきたって言うともう一回行ってこい!ていわれて行ってきたんです」
マカピー:「え?シコさんは2回も投票したんだ!」
シコ:「違いますよ!その日に4回投票してきたんです!」
マカピーでした。
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