そりゃ話には聞いてたけどサ! マカピーな日々#0546
マカピーです。
日曜日に散歩に出かけようと家の前の通りに出たところで、一方通行を逆走してくる車にギョッとしました。
マカピーの目の前で急停車し、その運転手が転がり出るようにして後方に走って行く先を見ると、ひとりの黒人が数人に取り囲まれて殴り倒されるところでした。
周囲の男たちが殴る蹴る、一人は伸縮する鉄製警棒で太ももを殴打していました!痛みに悲鳴を上げる男の底の抜けたスニーカからスッポリと足が抜けて出ていました。
ヤバイ!(心臓がドキドキ)
一旦家に戻ろう!と思ったのですが何か暴動的なものでない違和感を感じ遠巻きに様子を見る事にしました。周辺でも通行人が立ち止まって見ています!
マカピーの位置から車の陰で一部始終を見たのではないですが、どうやらこの騒動の発端は、男が車の中からひったくりをし、それに気づいた周囲の男たちが彼を追って、ここで捕捉して懲らしめていたというものでした。
一体どうしたのだ、と周囲のアパートの窓が開き沢山の人が見ている中で、さすがにもう十分と思った6人は殴るのをやめて「こいつが車からバッグを盗んだんだ!」と周囲に叫んで引き上げて行ったのでした。
どうやら、警官を呼び犯人を突き出すのより、こうして自分たちで懲らしめる(リンチ)やり方の方が効果的だと思っている節がありました。
マカピーも見たことがありますが、カンボジアでは窃盗が発覚すると、集団で半殺し状態になるまでリンチがくわえられるのでした。そして本当に殺してしまうケースが後を絶ちませんでした。あれも怖かった。
確かにここではそこまでは、ひどくはありませんでしたがマカピーも目の前で繰り広げられた体罰にドキドキしたのでした。
月曜日になりいつものタクシーで仕事場から帰ってくる際に、マカピーは運転手のエリアスに昨日のひったくり事件の始終をを話したのでした。
エリアス:「そりゃ、ビックリしたろう。で、どんな男だった?」
マカピー:「かなり貧しい身なりだったよ。ボロボロで穴の開いたスニーカを履いてたよ!」
と車が交差点に差し掛かると、いつもの物乞いが立っていたのですがその顔を見て、マカピーはビックリしたのです。
マカピー:「彼だ!バッグを盗んでみんなから殴られた男ってそこに立っている彼だよ!そうだマカピーも彼からフェンス越しに物乞いされたことがある。そう、彼だよ」
エリアス:「・・・そうか、あの連中は停車した車の間を物乞いしているけど、窓が開いていたり、中に金目のものがあれば一瞬態度を変えてかっさらって逃げるんだ。この交通の中で彼らを追いかけるのは無理だからな」
マカピー:「スゴイ。昨日あれだけシバかれても、こうして今日は自分の縄張りで仕事してるんだ!」
エリアス:「・・・生きて行くのは大変だよ。でも犯罪は犯罪だ。ともかく被害に遭わないように気を付けるんだ。バッグなど持って歩かないことだ、ビジネスマンならその中にパソコンが入っている事が分かるし、当然スマホだって持っているから襲いやすいんだ」
マカピー:「そう言えば、ここの旅行者もバックパッカーのように荷物を持って歩く人がいないね」
エリアス:「あれは一番マズイ。だって全財産持って歩いてるのが分かるから、襲われたらオシマイだ。ともかく道路では手ぶらで歩くんだ。連中も金にならない仕事はしないからね」
それから週末を迎える金曜日のお昼にトリシアさん(秘書)さんが来て「葬儀があるので早退する」というのです。
マカピー:「え、だれか不幸があったの?」
トリシア:「夫の叔父なんです。一昨日車をハイジャックされた後で家の前で射殺されたんです!」
マカピー:「射殺!街中で?」
トリシア:「郊外の住宅地なんだけど、拳銃で心臓と腹部に2発、ほとんど即死だったようです。彼の奥さんが家の前に行った時はもうダメだったそうです」
マカピー:「・・・でお子さんは?」
トリシア:「子供が二人いて、その死の場面を見てしまった奥さんが一番ショックから立ち直れていないらしいわ。まだ彼は47歳だったの」
マカピー:「本当に何てことだ!…ともかく彼の死にお悔やみ申し上げます」
それから、昨日は郊外にある高級都市ゲートウエイにある、巨大なショッピングモール内の貴金属店が日中買い物客がいる中で襲われて、店舗内のすべての商品が盗まれてしまったそうです。しかも人ごみの中で銃撃があって警備員が一人ケガをしたそうです。
エリアス:「あそこの警備会社は何やってんだ!これが初めてじゃなんだ。経験しているんだからもっと警備を強化すべきなのに毎回ダメなんだ!しかも犯人が捕まらないってどういうことだ!」
マカピー:「そういえば2週間前にそのモールに行って来た。確かに周囲も高級住宅街でちょっと豪華な感じだったよ!あそこでドンパチやったんだ!信じられない!」
エリアス:「恥ずかしい、人殺し、強盗、ひったくり・・・毎日そんな話ばかりだ。この国はどうしちまったんだ。ええ?本当に恥ずかしいよ!」
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。気を緩めるとやられる?
(掲載の写真と記事内容は関係がありません)