マカピーな日々 #0051 ゆるい世界
マカピーです。
インドほかへのバックパッカーの旅は続きます。
当時のインドにはもちろんコンビニなんてありませんから、車窓から物売りの差し出す菓子やチャイ(ミルクティー)などを買い求めたりしていました。乾燥した木の葉っぱを加工したお皿に載ったフルーツサラダや大きな大きなキウリがただ縦にスパっと切られてそこにマサラの粉がかけられただけで売られていたけどのどの渇きを潤すのに重宝しました。
チャイ(お茶)を飲んだ素焼きのカップは道路に投げ捨てるとすぐ壊れて土になるし、木の葉っぱの皿などは野良牛?が来て食べてしまうので、かなり今でいうところの「エコな環境」だったのかも知れませんね。
思い出しました。当時はPETボトルがなかったんです。水筒もしっかりスクリューが閉まるものがなく漏れてしまうので山歩きで使っていたポリタンを使用していました。それに現地で入手した電熱線ヒーターとステンレスの大きめなマグカップを持っていてそれで水を煮沸し湯冷ましにしてポリタンに移していたんですね。
当時はインドでコカ・コーラとか売ってないんですよ。似た商品としてカンパ・コーラとかセブン・アップに似たサム・アップそれにリムカというレモン味のジュースが売れ筋だったと思います。どれも妙に舌に残る後味が悪く飲んだ後の妙な罪悪感がマカピーにあったのはなんででしょうかね。
ある町の博物館を見た後、暑い午後の日差しの通りに出ると、サトウキビジュースの売店がありました。その場で仕入れてきたサトウキビの茎の皮をむいて、大きなクランクの取っ手を回して搾るのです。電気洗濯機の初期タイプでは洗濯物を脱水するのに使っていたあのシステムですね。搾った汁が受けの壺に入る前にライムを切った袋を通るので美味そうに感じました。
しかしよーく見ると、その搾る歯車から機械油にまみれた汁もポトリと落ち込んでいたのです。さて、どうするか?
まあ、この暑さだから自分の体には糖分補給が必要なのだと言い聞かせ、一杯のサトウキビジュースでのどの渇きを潤したのでした。
また別の町では、ラッシー(ヨーグルトドリンク)が飲みたくてラッシー屋さんの前に立ち止まりました。軒先の縁台の上に洗面器ほどある素焼きの中にダヒ(ヨーグルト)が入っているのですぐにわかるのです。
しかし、その表面は道路のホコリをいっぱいに浴びてうっすらと汚れているのがわかりました。「まあ、発酵食品だからね」などと訳の分からない理由で「ラッシー一杯」を頼むと店のおっちゃんは「あいよ!」とラッシーつぼにダヒをすくい取って入れてました。そしてマカピーの顔を見ながら「一番うまいのはこの脂肪のある表面だって知ってるよな」と一番汚れている表面部分を加え、ウインクしたのでした。そんなサービス頼んでないって!
改めて見るとおっちゃんのラッシー壺はかなりの年代物でした。溜めおきの水を容器から加え、さらに木製で先端にギザギザのついた撹拌棒を入れて両手でその棒を擦り合わせるようにシュワシュワとかき混ぜ始めました。
おお、マカピーは感嘆の声を上げました。だって電動のミキサーでもなければエッグビーターのようなものを使わず昔ながらの手動の撹拌棒とはすごい!でもさっき加えたあの水は湯冷ましだったかしら? でも今更怖くて聞けないよ!
見るもの聞くものいろいろと面白い旅もマカピーのお腹にとっては厳しいものがあったようです。腸内細菌が落ち着く暇もなく次々に未確認物体が放り込まれてくるので、どうしてもお腹がゆるくなりがちでした。
日本からの整腸剤もすぐになくなってしまい、薬局でダエリア(下痢)の薬を買い求めるのですが回復せず、いつも便意が止まらない状況となり、次第に体力が落ちてゆくのがわかりました。
さらにマカピーの旅は続くのでした。
マカピーでした。
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