ロコ・チェンキとカツアゲ事件 マカピーな日々#0511
マカピーです。
青年海外協力隊では2年間の任期があり、任国外旅行で2週間ほどインドネシアを一人旅をしました。
マレイシア国サバ州のコタキナバルから出発。ジャワ島のジャカルタからボゴール、チパナスを抜けてバンドン、ジョグジャカルタに行きそこからスマトラ島のパレンバンへ飛びそこからブキティンギーを抜けてトバ湖からメダンへ行き半島マレイシアのクアラルンプール経由でボルネオ島のサバに戻るコースでした。
当時はマカピーは愛煙家でした。
実のところマレイシアに行ってビックリしたのが丁子(チョージ)タバコの存在でした。
香料の丁子(ちょうじ)がタバコに混ぜてあるなんて知らなかったから驚きでした。
丁子は英語でクローブ(clove)と言いますからタバコもClove cigarette(クローブ・タバコ)と言えばマレーシアでも幾つか銘柄がありました。
地元ではクローブタバコは「ロコッ・チェンケ」(rokok cengkeh 丁字たばこ)と呼んでいましたが、マカピーが最初に吸ったのがインドネシアからの輸入タバコのグダン・ガラムでした。
マカピーは試しに吸ってみろと渡された、グダンガラムのその甘い香りにウットリしてました。(今では日本でも簡単に「ガラム」が買えるんですね!)
こんなに甘い吸い口を持ったタバコは生まれて初めてで、手巻きでラッパ状に広がっていて、クローブオイルが染み出て汚れているのもご愛敬でしたし、ラベル紙の塩(ガラム)蔵(グダン)の図柄がとても印象的でした。
ライターで火をつけて吸い込むとパチパチと中身が跳びはぜ、しかもその火の粉が周囲に飛び散り熱い!火傷するケースもあります。
ロコ・チェンケを吸っている人は、近くに寄っただけで香りで直ぐ分かるほどでした。しかもおおかたチェンケをやっている人はシャツやズボンに小さな穴が開いているので、直ぐに「チェンケ好き」なのが分かってしまうのでした。
もっともノンフィルターでかなりのタールが出るタバコですから、普通のシガレットのようにパカパカ吸うのではなく、マカピーのようにだいじに楽しんで吸うという感じでした。
これが、空港の免税で安く買えるです!ハイ、マカピーも買いました。
マカピーはマレイシアから出国するときには、いつもの「グダン・ガラム」よりもマルーンでおしゃれな「ベントール」を購入しました。
マカピーはバックパッカー旅行者だったので、到着したジャカルタで安宿を決めると、すぐに夕方の街に出てあちこち歩きまわり中央駅に行って見ることにしました。
そこから発着する列車の時刻表を見たかったのですが。中央駅に行くともう日がとっぷりと暮れていました。
薄暗い駅の中央口に行き壁の時刻表で、これから行く場所が「行く先」にあるかと眺めていると、周囲にいた人通りが途絶えました。
「?!」
マカピーの周囲を数人の若者が取り囲んだのでした。
しまった、まずい!
早く誰かが来ないかと数秒待っても、誰も現れなかったのは彼らの仲間が仕事中の邪魔をさせないように通行整理をしていたのかも知れません。
チンピラ:「金(ワン)を出せ!」
マ:「タアダ・ワン(金はない)タピ・アダ・ロコ(でもタバコならある)」
チンピラ:「出せ!」
封を切ったばかりのベントールを差し出すと、一人がひったくり全員が一斉に何事もなかったようにその場から消えたのでした。
おそらく、一分間に満たないカツアゲ経験でした。
マカピーは当時全財産を身につけていたバックパッカーでしたから、彼らが執拗に調べられれば、おそらく全てを失っていたかもしれません。
彼らも一瞬で勝負するわけですから、街の中で空白が生まれる瞬間を利用して商売しています。
そう全ては一瞬のタイミングなんです。
ガイドブックにもこうした窮地に陥った際は素早く逃げることが大切だと説いていますが、条件はどれとして同じではないから対応は難しいのです!
先日事務所であった安全対策の講義でも、不運にも物取りと遭遇したら、財布を投げ捨て、彼らがそちらに走っていく間に反対方向へ急いで逃げるべきだと教わりました。
そうなると財布は二つ持っておき、一つは貴重品が入ってるもの。もう一つは見せ金をいれた強盗対策用の財布だということになります。
ヤレヤレ、やっぱり戸外は緊張するなあ!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。あの時はタバコ一箱で済んで、ラッキーだったんだ!