換骨奪胎された木なの?マカピーな日々#0589
マカピーです。
毎朝、近くの公園を歩きながら気づくことがありました。
「もしかして、ここにある多くの木が乗っ取りに遭っていない?」って。
乗っ取りというのは、イチジクの仲間の木が宿主の木を乗っ取って「換骨奪胎」してしまうことです。
蔓性の植物が道路沿いの森林地を広範囲覆いつくして、受光を遮りその下になった植物体が枯死することもありますが、この場合のイチジクの仲間は「締め殺し植物」という、なんとも恐ろしい名前が付けられ恐れられているのでした。
マカピーも理科の授業で単子葉植物と双子葉植物というのを習いました。
単子葉植物の代表的なのはイネ、タケ、ヤシなんかがありますよね。
双子葉植物にはそれ以外の多くの草木があります。いわゆる種から双葉(ふたば)が出てくる特徴があるからこの名前が付きました。
ヤシでもかなり太い幹を持つものがありますが、それでも大概は人が抱えられるくらいの太さです。
他方双子葉植物の大木といわれるのは樹高50メートルにも達し、幹の周囲が10メートルを超えるようなものもあります。
「屋久杉」など樹齢が1000年を超えるようなものも生き続けています。アフリカ大陸ではおなじみの「バオバブ」なども巨大なのがあってその洞の中に教会があるなんて言う、話もあるくらいです。
いったいこの違いは何でしょう?
そうです、双子葉植物は常に成長し続け太り続けるのです。その跡が切り口にみられる「年輪」となりますが、単子葉植物には年輪がありませんから、太ることなしに上方向に伸びてゆくだけです。
さて、アダムとイブの「イチジクの葉」で思い出すあのイチジク(Fig)の仲間がありたくさんの種類を持っています。
意外なのはイチジクの仲間の観葉植物で「ゴムの木」といわれる大きな艶々した緑の葉をしたものを見たことがあるかと思います。あれはクワ科のイチジクです。
クワ科の植物は白い樹液が出るので、樹皮をタッパーで削り取りそこから出る樹液を集めて、天然ゴムを生産する原料にするのがゴム(パラゴムノキ)の木です。
前述した「ゴムの木」では確かにイチジクの仲間なので白い樹液を出し多少はゴムを生産できるらしいのですが、商用的には使われていません。
本物のパラゴムノキの木はトウダイグサ科で整然と植えられたプランテーションへ行くとあの観賞用「ゴムの木」とは似ても似つかない、桜の木のように成長し、しかも紅葉して落葉します。花も咲き実がなると、ある日それがはぜてパラパラと落ちてきます。
イチジク類は「ベンジャミン」とか言われ盆栽風にニョッキリとした根っこをもった樹形で、しかも大きくなると気根をたらしたりします。
更に榕樹であるガジュマル(沖縄名)はもイチジクの仲間でこの実を食べた鳥や動物の糞に混ざって木に取り付いて発芽、次第に根を伸ばしてゆくのでした。
これは締め殺しが得意なイチジクです。
宿主となる木がどんなに大きくても、その幹に取り付いた根が融合してまるで樹皮のように宿主の幹を覆ってしまうと宿主は年輪を重ねる成長を止められてしまいます。
つまり窒息しちゃうんですよ。
つまり栄養や水を送る維管束が新たに形成できない状況が続くと枯死するしかありません。こうしてガジュマルに取り付かれた木は、自立できなくなり倒れたり、幹の周囲を固めたガジュマルが宿主の木を枯らしたまま自立するケースもあります。
マカピーが散歩する公園でも、そうした木々を見ることができます。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。静かで壮絶で命がけの営みがありました。