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日本はパーム油で繋がっている マカピーな日々 ♯1661
マカピーです。
アブラヤシからとれるパーム油って知ってますか?
マレーシアとパーム油生産
マレーシアは世界中で生産されるパームオイルの約2割を占めているんですって、スゴイ!
(サムネール写真はボルネオ島北部マレーシア国サバ州のアブラヤシ農園を突っ切る道路で、時速100㎞以上で走行します!)
といっても日本とは全く違う土地柄なのでイメージしにくいものがありますよね。
まずマレーシアと日本の領土を比べてみると、日本: 約 377,975平方㎞とマレーシアが 約 330,803平方㎞ということですから、日本はマレーシアより約 1.14倍大きいという事になります。
次に、マレーシアのアブラヤシ農園の総面積は約 5,800平方㎞ということは四国:( 面積が約 18,800平方㎞) の約 3分の1 そして九州( 面積が約 36,000平方㎞)の約 6分の1 という事になるんですって。
これってかなりの面積で、更に拡大しているんです!
さらに2021年のそこから生まれるパーム油の生産量は約 18,116,354トン で、世界全体の約 20% を占めています。
ところが、お隣のインドネシア: 約 49,710,345トン(世界1位)ですから他を圧倒していますね!3位にタイが続くそうですがこの3国で世界生産の9割を占めるそうです!
これってマカピーのいるマレーシアやインドネシアが特別で、フィリピンのルソン島ではまたったく見かけません!
パーム油の問題とは?私たちの暮らしと熱帯林の破壊をつなぐもの |WWFジャパン
このWWFの資料はオイルパーム生産における現状と問題点をとても分かりやすく説明されていますので、是非ご覧ください!
どうですか?驚くような内容だとおもいませんか!?
写真も豊富なので、アブラヤシってどんな植物か分かってもらえたと思います。
そうなんです、海岸などにあるココナツヤシとは違うんですね(笑)
それからココナツの硬い殻の内側についている白いコプラからも油は取れますよ!
そもそもパーム油って何なの?
という事でマレーシアでも大量に生産されるパームオイルは日本でどのような製品の原料として使われているの代表的なものを以下にご覧ください。
マーガリン - マーガリンの主要な原料です。
ショートニング - 調理用ショートニングにも広く利用。
アイスクリーム - アイスクリームの製造にも使用。
菓子パン - 菓子パンの製造にも使われています。
即席麺 - 即席麺の製造にも使用。
冷凍食品 - 冷凍食品の加工にも利用。
化粧品 - 口紅やシャンプーなどの化粧品にも使われています。
歯磨き粉 - 歯磨き粉の成分でもあります。
洗剤 - 洗剤の成分としても使用。
バイオ燃料 - バイオマス燃料としても利用。
このようにパームオイルはその汎用性とコストパフォーマンスの高さから、多種多様の製品原料に使われているんですよ。
植物性油ですから、もちろん食品原料となるのは分かるのですが、化粧品、歯磨き粉、洗剤・・・まさしく驚きですね。
マレーシアのように熱帯地方ではで安価なクッキングオイルとしても利用されていますが、日本に持って行くと低温で固まってしまうので利用されていません。
ただしご紹介したWWFの資料にもあります通り、肥満や心筋梗塞の原因の一つと言われている不飽和脂肪酸をほとんど含まないという利点もあるそうですよ。
以上、現代社会においてはパーム油は欠かす事の出来ない重要な工業原料だという事を理解して頂けたかと思います!
生産国の憂鬱
マレーシアのサバ州を含む全土でアブラヤシは栽培されていて、そのパーム油は世界で有数な生産国となり世界中に喜んでもらえていますが負の遺産もあるんですね。
それはアブラヤシも植物なので年々成長するわけです。
15mくらいの高さに成長すると、その頂上近くに出来た果房を長い鎌でかき落とす作業をしていても次第に手が届かなくなるのです。
それで20年から25年生ともなると切り倒して新たに苗を植える事になります(これを更新と言います)
高くなったヤシの実をとれるサルを更に調教して、人間の代わりにやらせたらいいんじゃないか?などという案もありますね(笑)
しかし、テレビ番組で紹介されるような観光地でおサルさんが取ってくれるあのココナッツジュースのヤシとアブラヤシでは全く違った果房を持っているのです。
もう一度先ほどのWWFの資料をご覧下さい!
アブラヤシの果房は大きなものになるとマカピーも重くて抱えられないくらいなんですよ!
しかも小さな実の集合体ですから触ると痛いくらいです。
ですから高所からこんなのが落ちてきた際に、誤ってその落下位置にいたら大怪我では済まされませんよ。
そもそも平坦な土地でのアブラヤシ生産が行われている訳でなく、かなりの山地まで開墾されてアブラヤシ畑になっているのでその管理、収穫に携わる地元の人たちの苦労は相当なものなんです。
そして、マカピーもよく出会うのですが、外国籍の労働者や児童労働の問題もありますね。
しかも、切り倒しておけば熱帯気候ですからどんどん腐敗して分解が進むのですが、その際に温室効果の元凶とも言われる二酸化炭素を大量に空中に放出することになります。
更に切り倒されたアブラヤシの古木は病害虫の発生場所を提供してしまう事になりその後の更新したアブラヤシ農園の質を低下させてしまいます。
問題解決はできるのか?
じゃあ、そうした問題どうしたらいいんだってことですよね?
その問題に日本も国際協力機構(JICA)と科学技術振興機構(JST)の協力プロジェクトであるSATREPSという事業をマレーシア政府側と立ち上げたんですよ。
なるほど、2019年から6年の協力期間ですから今年2025年までのプロジェクトなんですよ!
この中で注目されるのはプロジェクトの一環として更新で廃材となったアブラヤシ古木の再利用を目指している事です。
そこに日本の『パナソニック』という有名な会社がこのプロジェクトに参加しています。
マカピーが青年海外協力隊員だったころも同社はマレーシアで天然ゴム生産があったので、更新の際のゴムの古木をどうしたら再利用できるかと取り組み、テレビを入れる『木調キャビネット生産』していたというのを覚えています。
社会問題解決をする会社ってやっぱり地元でも信用されますよね!
さて、皆さんも今回の記事で、石油以外にも沢山の原料を多くの国の生産に頼っている現状と、その生産国での問題とその解決に向けて国際協力で取り組んでいる様子がご理解されたかと思います。
マカピーは大好きなマレーシアがもっともっと良くなってもらいたいんですね!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。再利用はカッコいいのだ!
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