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タンメンにはお酢です!マカピーな日々#0272

マカピーです。

ラーメンの事をかつては「しなそば」と呼んだことがありました。

確か「支那そば」と書いていましたが、せいぜいうどんやそばの仲間程度の存在で、現在のようにこれほどバラエティーに富んだ食べ物となるとは思いもよりませんでした。

マカピーはラーメン類の中で一番好きなのがタンメンです。

野菜がたっぷりのタンメンにお酢をかけて食べます。

しばしばお酢の容器半分ほども入れるのでマカピーの奥さんから呆れられます。

実は高校時代の事です。タンメンを5杯食べたらタダにしてくれるお店がありました。マカピーは3杯だったら食べられたと思いますが4杯ではかなり危ういと思い挑戦できませんでした。

それを一年先輩のコイケさんは見事やり遂げましたがかなり無理したので上を向いたまま店を出てゆきました。

実はコイケさんは3度目の挑戦だったと後で知り、マカピーもあの時挑戦すればよかったと今では思います。

そのお店でタンメンにお酢を入れる事を覚えました。

そうすると5杯ラーメンに挑戦する人は、「飽き」なく食べられるようにお酢を振りかけて食べるのが通例だったのですが、マカピーもついついそれに倣って食べるようになりました。

ベトナム中部にダナンという都市があります。

仕事の現場が近くにあり、毎月のようにダナンを訪れたのですが街中に日本人の経営するラーメン屋がありました。

ご存じのようにベトナムと言えばフォーという米粉のうどんが有名です。でもこのお店のオーナーは東京は目黒でラーメン屋をやっていた方でした。

ダナン湾を望む日本スタイルのホテルの屋上に露天風呂があり、マカピーは時々このホテルに泊まりました。

ある晩遅く、一人でいつものように露天風呂に浸かっていると一人の男性が入ってきました。この方がラーメン屋を開店する準備に来ていたKさんでした。

話を聞いて面白かったのは、目黒で売れるラーメン屋としてメディアの取材を受けるようにまでなったのに何でベトナムに来たのか?とおもったらいろいろ紆余曲折があるのが人生ですね。

もともと彼自身がタンメン好きで、造園の仕事をして都内各所の現場を回りながら昼食にラーメン屋に入っては「タンメン」を注文するのですがどうも美味くない。

というより自分の舌が覚えている「あのタンメン」に行き当たることがなかったのだそうです。

「タンメンを注文してもただの野菜ラーメンなんですよ!」

「あのタンメン」とは近所のおじちゃんが作るものでしたが、息子も店を継がず、自身も歳を取り中華鍋が持てなくなったので廃業してしまっていました。

どうしても「あのタンメン」が食べたくなったKさんはある日廃業したおじちゃんを訪ねます。

「あのタンメン」の作り方を教えてくれ!

彼はタンメンを作るために造園の仕事をやめてラーメン店を出します。

やがてラーメンブームもあってお店は繁盛したそうです。

さらにお店を出したいので修業したい人が来たそうです。Kさんは喜んで面接しました。

「8時間労働で土日休みは譲れませんので、その辺のところヨロシク」

「お店を出したいんですよね?」

「はい、儲かる自分の店を出したいです」

「それで、いつ働くの?」

「だから8時間みっちりやって、しっかり土日休みですよ」

「それは8時間は営業時間でしょう。自分の店となったら仕込みもあるから12時間以上働くことになって、おそらく休みなんて無いですよ」

「それって完全にブラックですね」

「・・・ていうか、あなた何がしたいの?」

「じゃあ、いいですー」

「・・・・・」ヤレヤレ


ベトナムに来てKさんが喜んだのは一緒に働くベトナム人の若者がとても素直で一生懸命働くことだそうです。そしていつの日にか彼らに自分の店を任せたいなあとうれしそうに語ってくれたのでした。

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。今年も楽しくマカピー的史観をお届けします。





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