ヤシの実、見ーつけた! マカピーな日々#0393
マカピーです。
初めてのハローワークへ行く日でした。
「クレヨンしんちゃん」で有名なその町の駅を降りて、ふじ棚の歩道を一生懸命歩いていたのです。
グーグルマップを見れば駅から職業安定所まで2.7kmで40分以内には到着できると思ったのですがポカポカ陽気で暑くなりTシャツ一枚でも汗ばんできました。
交差点でマカピーは信号待ちをする間、かたわらのコンビニの店頭で懐かしい物が目に入り、吸い寄せられたのでした。
「オーオいいね、ココナツだよ。あら1個300円以上もするの?・・・フーン」とそのパックの説明を読んでいると、隣に来たオバちゃんの独り言に反応してしまいました。
オ:「あらら、ドライバーでこじ開けるの?大変ねエ・・・」
マ:「ほら、ここんところくぼみが3つあるでしょう。その一つだけ千枚通しやドライバーで穴があけられるんです。で、そこにストローを差し込めば中の水を飲むことが出来るんです」
オ:「よくご存じですねエ」
マ:「ハア、東南アジアの国でよくこのヤシ水飲んでましたから・・・オッと信号機が青になるんで失礼します。じゃ」
オバちゃんを残して、再び歩きだしながらマカピーはヤシの実の事でもっと伝えたかったことがあるのに気づきました。
ココナッツはご存じの方も多いと思いますが、数百もあると言われるヤシの一種の実です。
日本の関東地方にもシュロ(棕櫚)と呼ばれる背の高いヤシがありますが、あれと似ています。もちろんココヤシの方が太いですし背も高いです。
ココヤシは塩分にも強いので、熱帯アジア地方では海岸際にもたくさん植えられていますが、大きな実の付くものでは一個の重さが3㎏くらいになるのがあるのです。
これが頭上から落ちてきて直撃したら・・・ハイ迷わず昇天できます!
ある観光地で風そよぐヤシの並木の下で写真を撮っていた新婚旅行の旦那さんが運悪くヤシの直撃事故で死亡。新婦が新婚旅行中にウィドウ(寡婦)になった話を聞いた時、「実にありえる事だ!」って実感したのです。
というのもマカピーが青年海外協力隊活動で住んでたマレイシア国サバ州の村はまさしくヤシ畑の中にあったからです。
実が落ちるとズンッて響くし、枝が落ちただけでバサーと大きな音がしました。
マカピーのいた村周辺のヤシ畑は、ヤシの実の中身である白いコプラの部分を取り出し乾燥して油脂会社に売る原料だったのでした。
マカピーの関係者が来るといつもこの林を管理する村の若者が長い竹竿の先に鎌を付けた道具でヤシの実を落としてくれて、フレッシュなジュースを飲ませてくれました。
その彼にしても、ヤシの実の付いた房をかき落とす作業は危険が伴います。直撃を受ければ大怪我するからで、彼は作業中に決して近くに人、子供は近寄せませんでした。
実は美味しいジュースが飲める若いヤシの実の房を落とすと、その衝撃で多くは破裂してしまうのでした。だから「商売品なのに、ありがとう」って彼の心づくしのもてなしに感謝しました。
じゃあ、その中身のコプラを取り出せばいいじゃないかと考えるかも知れませんが、まだ未熟なヤシの実のコプラはほとんどないのです。
そのかわり、未熟なコプラが内側に薄ーいジェリー状の層があるのでこれをヤシの実の皮で作ったヘラですくって食べるとトロっとして美味しいのです。おそらく東南アジアを旅した人はそれを食べたことがある人もいる事でしょう!
つまりヤシの実が熟するとコプラが厚くなってくるのですが、そうなるとこんどは中の水はまずくなります。やがて水はすべてコプラになりそこにココナツアップルと呼ばれるかたまりが出来るとそこから芽が生えて先ほどの一個の穴から葉っぱを出すのです。
実はそのココナツアップルもリンゴのように食べることが出来るのですがそれも大きくなると美味しくなくなります。
ココナツアップルはコプラの層から栄養分を取り込む哺乳類の胎盤のような役割をしていたのだと思います。
フレッシュなものだとヤシの頂点を切り落とした瞬間、水が天井まで噴き上げるものもあるって知ってました?
それから、ヤシのジュースには舌にピリピリ来る微炭酸のものがあるんです。天然の炭酸ジュースってスゴイでしょう? もはや炭酸飲料なんて不要です(笑)
それに、カンボジアなどでは内戦が続いていた頃、医療品が不足する中で傷を負った兵士の治療にこのヤシの水を生理食塩水として利用した話を聞きます。
確かにヤシの実の中身は無菌状態だし、本当に使えたのかなあ?お医者さんに聞いたら「ありえる」って言ってましたけどね。
フィリピンで人気の「ブコ・パイ」はパイ生地の中にタップリと柔らかいコプラが詰まったロスバニョスの名物で懐かしいです。
色々楽しめるココナツは奥が深いですね!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。タワシ(束子)話も面白そう?
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