アキ子さんは叫んだ「あたしゃアイスクリーム売りになるんだ!」 マカピーな日々#0529
マカピーです。
ネパールの仕事に来られたアキ子さんは普段から毒舌家で有名な方でした。
いつものように、我が家でマカピー妻の料理で飲んでいたら、いきなり「ミンナいい、聞いてくれる? アタシはさ、仕事を辞めたらアイスクリーム売りになるのよ!」と言い放ったのでした。
その場にいた仲間の一人が「あれ、酔っぱらった?」ってつぶやくと、すかさず
アキ子:「フン、だれが酔ってるって?!私はこんな仕事さっさと辞めてアイスクリーム売りをするのよ!ホラ聞いてる、ソコ?」
マカピー:「アキ子さん、最近は日本でもアイスクリーム売りって見なくなってるじゃないんですか?それを自宅周辺でやるんですか?」
アキ子:「バッカねー、これだか素人はイヤなのよ!あのね分かる?アイスクリームっていえば海辺に行くのに決まってるでしょ! そこにアイスクリームって旗竿を立てた自転車の荷台に載せたアイスボックスで海水浴客に売るのよ!」
マカピー妻:「じゃあ、湘南とか? あれ?アキ子さん豊島区に住んでなかったっけ?」
アキ子さん:「あー、そういうつまらない事は言わないの!私がアイスクリーム売りをしたいって事に変わりないんだから! もう、いい気持ちで将来設計をみんなに披露できたと思ったら急に現実に引き戻されちゃったじゃないのよ! ホラ、もう一杯ロキシー(ネパールの蒸留酒)ちょうだいよ!」
どうやら飲み口の良いロキシーを飲むと、どこかカチッと自分の内なるものを放ちたくなるような気分にさせる何かがあるのかも知れません。恐るべしロキシー!
アキ子さんが少し深酒になった理由は、仕事場で落ち込んだからとマカピーは知っていました。
仕事場でネパール人相手に日本の技術を教えているのですが、彼女が研修をした後で、数か月して日本から戻ってくると、その現地スタッフの能力がすっかり「元の木阿弥」状態に感じられることがあったのでした。
アキ子さんは、これまで投入した自分の努力は何だったのか?、もしかしたら自分のアプローチの仕方が間違っていたのか?それとも受け手の問題なのか?・・・いろいろ悩んでいたようです。
アキ子:「私が教えている時には、すごく良くできてこれならイケる!って確認して日本に帰るんだけど、戻ってくるとまたゼロになっているのよ!」
マカピー:「アキ子さん、いくらなんでもゼロはないでしょう!?」
アキ子:「まあ、そりゃ言い過ぎかもね! でもその技術を使って毎日仕事をしたはずなんだから、もう少し技術力が向上していると思うじゃない? それが無いのよ!」
マカピー:「じゃあ、教えたことは残ってんですね。まずは良かったじゃないですか?」
アキ子:「違うのよ!いつまでも、そこのレベルで留まっちゃってんの! つまりね、向上心てのが感じられないのよ! それまで自転車が乗れなかった人が、教わって乗れたら、バンバンと遠乗りに出かけちゃうみたいな!」
マカピー:「そうですか・・・アキ子さん、そこまで彼らに求めてたんですね!?」
アキ子さんは初めてこうした技術移転に関わる壁に当たったわけではないと思います。それは彼女がネパールだけでなく、他の国でも仕事をしている豊富な経験を持っているプロだったからです。
「ローマは一日にして成らず」って言いますものね!
ですから翌日には、そんな昨夜のそぶりは少しも見せず、仕事場では相変わらずスタッフを笑わせながらも熱心に技術を教え続けていました。
アキ子さんのケースだけでなく、私たちも自分がやっている事が「無」に感じられることがあり、徒労感でガックリする事があります。
そんな時は、「憂さ晴らし」すればいいんです。
ロキシーとそしてそれを見守るいい仲間がいれば、翌日にはケロって気を取り直して、再出発できるものです!
確かに、コロナ禍では「リモートワーク」がすすんでいるし会食などの機会が減りつつあります。
マカピーは飲み会のススメをしているのではないのですが、その「再出発のきっかけをつかむ効果」も少しはあったのかなあ?ってアキ子さんの事を思い出したのでした。
アキ子さんもう退職されているようですが、きっとあの時の「アイスクリーム売り」宣言を忘れちゃったでしょうね!
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。ときどきアホ話が必要なんです!