ルンペンとブルジョアジー マカピーな日々#0263
マカピーです。
佐野洋子さんの絵本を見ていて「ルンペン」という言葉に思い当たりました。
神様の「サンタクロース募集」に集まった沢山の55歳以上のおじさんの中に一人のおばあさんがいた話です。
集まったおじさんの中にルンペンもいたとありましたが、今でもルンペンって言葉が普通の会話に出てくるのでしょうか?
もともとはかの、「資本論」というマカピーもタイトルだけ知っている作者カールマルクスのつくった言葉だそうです。
富裕階級の対極をなすルンペンプロレタリアートを略してルンペン。つまり「貧乏人」「浮浪者」的な意味合いで日本では根付いたとマカピーは想像します。
英語の「ホーボー」などとはちょっと違う感じがしますが、日本では小林多喜二などプロレタリアート文学と共産主義取り締まりの歴史がごちゃ混ぜにあるのでマカピーなどは何となく「暗ーい」感じになってしまうのでした。
もっとも、佐野洋子さんの絵本にはそんな暗さはありませんし、とても心温まる話ですけど。
そういえばルンペンの対極である富裕階級をブルジョワジーと言いますが、友達のマリーがフランスのパリの中心街「プチ・ブルジョワジー通り」のロフトに住んでいて、一度そこを訪ねた事を思い出しました。
マカピーが行って驚いたのがその建物です。
施錠を解いてもらって中に入ると、古ーい建物でした。階段を登り切ったアパートがそうだというので見上げてビックリでした。
登って行くにも階段が木製というのは許せるのですが、それが水平ではなく経年劣化なのか傾斜しているだけでなく使い込まれているので、縁の角が取れ見事に摩耗して芸術的な光を放っていました。
つまり、傾斜もきつい、水平でない、縁の角がないからすごく危険な階段なのです。おそらく一たび滑落すれば必ずや大怪我間違いなしの構造でした。
後でそのことを彼女に尋ねましたが、そこは危険には目をつむって、むしろそこに価値を見出しているようなパリジャン的な考えでした。ヤレヤレ
さらに、ロフトの家は家主の趣味なのでしょうか、漆喰の上塗りを繰り返していて階段のように角が無くなった世界というか南欧を思わせる白い世界がありました。
ドアがほとんどなく、まるで雪洞の中にいる様な不思議な空間でした。
マリーに聞けばそこは外交官だった両親のセカンドハウスだったのを引き継いだとの事で、1789年のフランス革命のころにはすでにこの建物があったらしいのです。ウーン確かに古いわな。
そうそう、フランス革命記念日はマカピーの誕生日でもあり、フィリピンにいた頃、このアパートの主の彼女から「パリ祭200年周年」の記念の帽子を贈られたことがあったのを思い出しました。
ブルジョワジーやルンペンという言葉から「革命」そしてパリの裏町?の雰囲気や不思議なロフトが思い出されるのでした。
そして彼女の名前はマリマティーヌなので普段は「マリー」と呼んでいました。歌に「五番街のマリーへ」(高橋真梨子)がありますが、本当にマリーは今はどこにいるのかなあ?
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。明日もマカピー的史観をお届けしますね。