6人構成
人が抱く不安というのはある人にとってはその程度でも、またある人には体や精神の自由を奪う程の恐怖であり抱えきれない場合があります。
先に書いたように彼女は過去の経験から、抱えきれなくなった時に自分の体という器から離れて、落ち着くまで代わりがそれに入るシステムを作っていました。
聞いたことありませんか?
解離性同一性障害
多重人格
最初はいつものように通話をしている中、たまたま彼女が聞いてきた元カノの話だったと思います。
自分に価値がないと思っている彼女は私がいつか居なくなる、私がどこかへ行ってしまうんじゃないかという不安から泣き出して過呼吸を起こし、落ち着くように何度も声をかけてもなかなか届きませんでした。
その際離れかけたんでしょう。
"頭の中で嫌な声がする"
と言い、必死に私を探している様子でした。
私も必死で
「こっちだよ、おいで?」
と彼女を呼び、声が届いたと分かると精神的な空間をイメージして、
「そっちは暗いからこっちの明るいとこ行こ?」
そう促しました。
しかしまだ怖い声がすると言うので、空間にドアを設けて施錠をするイメージをさせます。
ようやく声が無くなった途端、今度は安心して泣く彼女をなだめる、私を起因として極度の不安に陥った場合は毎回こうした一連の流れがありました。
彼女の中にいるのは5人。
それぞれ感情をもった一個体で性別もバラバラ。
詳しくは次回ということで。
またお付き合いくださいますように。