ニューヨーク生活一年目の夏のびっくり
まだ September 11 attacks が起きる前、最初にニューヨークに住み始めたとき、それまで漠然と思い描いていたニューヨークと実際があまりに違うことにびっくりでした。
ニューヨークって、もっと人々が颯爽と歩いているのかと思っていたけど?
颯爽と、は、ある意味ではとても当たっているのです。 皆さん姿勢がよく、顔をあげて、周りを見ながら歩いているから。
でも最初に笑ってしまったのが、皆さん服装にはほとんど無頓着なこと!
気合い入れてオシャレしています、とか、恥ずかしくない恰好をしないと、みたいな感じの人はほとんどいなかった。 ちなみに、そのとき私が滞在していたのは、ニューヨークのミッドタウン、ばりばりの商業&ビジネス地区です。 東京でいうと新宿の感じでしょうか。
若くて元気な女性が、首まわりのでろでろに伸びたTシャツを着ていて、ブラの肩紐が丸出し、で歩いていたり。 わざと見せてるのじゃないんですよ。 見せる感じではないのに、見えていてもまるで気にしていない。
この彼女だけだったら、たまたまそういう人だったのかな、と思うところですが、そうでもないんですよね。 ほかにも、肩紐どころか本体のところまで見えそうになっている人もいました。 中身が見えてるんじゃないんだから、ブラが見えているぐらい屁でもない、と思ってそうです。
服装はオシャレというより、ジーンズとTシャツぐらいのカジュアルな人がほとんどです。 いろんな文化の、肌の色もさまざまな人々が集まっているので、「流行のファッション」 なんてものもありません。 みんな、自分の好きなもの、着たいものを着ているという感じです。 見た目より着心地重視、自分が Comfortable であることのほうが大事なのです。
びっくりしつつも見慣れてきたと思ったら、今度は、前から歩いてくる大柄な黒人の女性が、何か細長いものを手に持って食べながら歩いていました。 夏だし、アイスでも食べているのか、と思っていたら・・・
近づいて来てみたら、全部皮をむいた、むき出しの1本の バナナ を素手で持って、食べながら歩いているのでした。 バナナ! 裸にされて、恥ずかしそうな姿になって。
手が汚れるやろ!と心の中でツッコんだのはもちろんですが、そのあと日本の友達にも話して、大笑いしたのでした。 さすがニューヨーク、何でもありだな!
街だって、とってもカッコよくてオシャレ、なイメージがありましたが、地下鉄の汚さにはびっくりです。
地下鉄入口から、下りていく階段がまず汚い。 小便臭いことだってある。
階段にも通路にも、そしてプラットホームや線路上にまで、ごみが散乱している。 ごみ箱はちゃんとあちこちにあるのに、です。 特に、線路上に投げ捨てられたごみは溜まりっぱなしになって、ネズミをちょろちょろさせる原因になったり、時には火災になったりしています。
プラットホームで電車を待っていて、ネズミやゴキブリと遭遇することも珍しくない。
そういえば、ニューヨーク地下鉄の車内にまでネズミが入り込んで、乗客が逃げ回っている映像が went viral した(バズった)ことがありました。。。 ネズミは、単に気持ち悪いとか、嫌いとかだけではなくて、不潔だからという理由で避けられているんですよ。 リスも同じなんですが、可愛いじゃないか、という感覚はニューヨークにはなくて、病気を運んでくるから触ってはいけない、駆除しなければならない、という感覚です。
ネズミは、普通の部屋の中にも出るようです。 幸い、私の住んでいたアパートメントでは見たことないのですが、大学のクラスメートたちと話をしていると、「ネズミ出るよね!」 と言ってました。 私の住んでいた建物では、管理人が定期的に駆除業者を呼んでくれていたから、かもしれません。 業者が部屋に来て、消毒剤をまいてくれていたのでした。
住み始めて約2か月後、ESL(英語学校) に通い始めたその初日にも、期待を裏切らないびっくりが。 異国での初めての授業、世界中から集まった生徒と一緒に英語で会話。 いったいどんなものなのか、それはそれは緊張の時間でした。
教室の感じやクラスメートたちの顔ぶれなど、印象深かった話はいろいろあるのですが、いま思い返してみて一番衝撃だったなと思うことは、そんなことではなかった・・・
女性教授(当時40代くらいかな) のワキの下が、黒かったこと!
先に行っておきますが、これは決して馬鹿にしているとか、笑いものにしているということではありません!!
夏だったので、その教授はノースリーブのワンピースを着ていました。 そして、彼女が腕をあげるたびに、黒いものが視界に入るのでした。
剃っていないのではなくて、剃っているんだけど、そこまで完璧にキレイにしているのではない、という感じに見えました。
衝撃でした・・・ 日本でこんなワキの下を見せていたら、とんでもなく変人扱いされてしまうでしょう。 これだけでいじめに合っても不思議じゃないし、お局から 「マナー違反」 認定されて説教されてしまいそうです。
それなのに、ニューヨークでは誰もそんなことは気にしない! だって、元々自然にあるものだし、伸ばしっぱなしにしてないのだから、十分じゃないですか?
剃ってはいけない宗教や文化もあるぐらいなのだから、毛の1本や2本、いや数十本、いや数百本かもしれないが、別にどうってことないじゃないですか。
男性のヒゲとか胸毛なんかも、世界的にみると、抵抗がない文化のほうが多いですよね。 そりゃそうでしょう。 あるのが自然なんだから。
日本人ほかアジア人は、元々体毛が薄いから、毛を 「毛嫌い」(狙ってるのではない) してしまうのかもしれませんが、なんか神経質すぎるんじゃないかなと思いますね。
良くも悪くも、「見た目」 のことを必要以上に気にしないのがニューヨーカー。 ニューヨークのカッコよさは、見た目にあるのではなく、行動力とか精神的な強さなど、人間の中身にあることは間違いありません。
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