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テロの記憶 in New York (7): 大統領のメッセージ

▶シリーズ初回
テロの記憶 in New York (1): 始まり
https://note.com/maca39inches/n/n37d2051568e3
▶前回
テロの記憶 in New York (6): 長い一日の終わり
https://note.com/maca39inches/n/n6970815e9000


その日のうちに、ニューヨーク市長の Rudy Giuliani も、アメリカ大統領の George W. Bush も、それぞれ会見を行いました。 ジュリアーニは、市の消防や警察などの各代表と一緒に、死傷者の情報や交通情報、問い合わせ先などを逐一伝える形で数回、ブッシュのほうは、国民に向けてのメッセージを、少なくとも昼と夜の2回発表していたと思います。

特に、ブッシュの夜のメッセージはしっかりとしたスピーチでした。 カメラを真っすぐに見て、アメリカはこんなことで揺らいだりしないこと、テロリズムには屈しないこと、などを訴えた力強いスピーチでした。

その終わり近くでブッシュが “War”(戦争) という言葉を使ったのは、どういう意味かとちょっと気になりました (“We stand together to win the war against terrorism.”)。 現実の戦争の意味でも比喩的な意味でも使える言葉だけれど、これがだんだん現実の戦争につながっていくのだろうか。

気になることはあったけれど、全体としてはとても心に響くメッセージでした。 アメリカの自由と正義を失ってはいけない。 平和を守らなければならない。 我々は今日のこの日を決して忘れない。 聞いている自分たちの心がひとつになっているような気がしました。

ブッシュを支持しているかいないかは別として、このスピーチを聞いて私は、国のリーダーとして素晴らしいと思いました。 何かあったとき、国民と気持ちを共にして、そして励まし、前を向かせることができる、これがリーダーの役割だとすると、私が見てきた日本の首相たちは、全くリーダーではない、と思いました。

次の日から、大学も休みになり、あのニューヨークが根本から変わってしまったのを目撃していくことになります。 そして、犠牲者だけでなくテロリストまでも、私の身近にいたことがわかります。

続きます。

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