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「It’s show time」

先週は見た目は全然新しくないけど中身の一新されたハードウェアを3日連続でリリースしてきたApple。その辺りのことと今日発表のあったサービスに関して個人的な見解を書き連ねてみたい。

ハードウェア1:新しいiPad AirとiPad mini
何年も塩漬け状態だった為オワコンではないかと半ば諦めモードだったiPad mini。そしてFace ID搭載の新しいiPad Proが発表されたことで、どう見てもProじゃなくてiPad AirじゃないのApple信者以外にツッコミを入れられても言い負かすことのできない、どうにも中途半端な位置付けだった旧iPad Pro。miniもProも去年出たiPad第6世代と比べてどうなのと言ってはいけない存在だったが今回のモデルチェンジで完全に無印の上を行く製品としてのポジションを確保した。miniとAirは価格が違うが基本的な性能は同じレベル。Appleは画面サイズの違いで選びましょうと言う方向に変えてきた。メインのチップはA12 Bionicとなりこれで文句を言ったらバチが当たるレベルになったのである。

ハードウエア2:新しいiMac
間にiMac Proが登場すると言う状態で更新なし状態だったが突然のアップデート。こちらはiPadと違いiMacとiMac Proの間があまりにもかけ離れすぎていてどちらを選べば良いのか分からない状態だったが今回のアップデートでBTOによって基本モデルから現行のiMac Proに限りなく近いレベルまでの幅広いニーズに対応可能となった。当然次に来るiMac Proは全く新しいレベルの弩級マシーンになるであろうことは間違いないだろう。

ハードウェア3:新しいAirPods
耳からウドンとなじられながらもワイヤレスイヤホンの覇者となったAirPodsも見た目には何の変化もないが新しくなった。メインチップとして使われていたW1を一から設計し直したH1を搭載することで「Hey Siri」への対応、通話時間の延長、レイテンシーの軽減とかなり地味目なアップデートだが初代を発売開始時に手に入れ、そろそろバッテリのへたりが気になっていた人にとってはベストタイミングでのアップデートだった。今回の本命は今はまだ姿を現していないBeatsの完全ワイヤレスとなる「Powerbeats Pro」になるのでは。

サービス1:Apple News+
いつまで経っても日本では始まらなかったApple Newsに優良な雑誌も加えてサブスクリプションの形で登場。個別の契約でNewsを見ることができるNewsstand がiTunesの立ち位置ならこちらはApple Musicになる。オンラインでそれなりに上手く言っているNY Timesなどは不参加を表明。日本ではApple Newsはいまだにサービスインがされていないので現在Apple Newsサービスが可能となっている地域向けのサービスで終わるかもしれない。こちらはアメリカでは月額9.99ドルで本日からスタート。

サービス2:Apple TV+
Apple製品だけではなくFire TVやSamsungのスマートテレビなどのサーパーティー製のハードウェアに対してApple TVアプリとして配布されるアプリの中で視聴可能なAppleオリジナルの映像コンテンツサービス。スピルバーグやJJエイブラムスなどの大物監督などが制作に携わる長編映像作品やドキュメンタリー、ドラマなど100本あまりをサブスクリプションで視聴可能となるサービス。NetflixやAmazon Primeビデオのように他社の映像も見られるのかは不明だが日本向けには字幕や吹き替えで対応可能だろう。アメリカでの今秋のスタートを予定している。

サービス3:Apple TV channels
こちらもApple TVアプリの中で提供されるサブスクリプションサービス。HBOなどケーブルTV各社のコンテンツを束ねるサービスとなっており個々のチャンネルとはアプリを通じて契約する形になる。こちらはそのままを日本に持ってきても上手くいかないコンテンツも多い為同じように英語圏ではない国向けにローカライズしないと難しいサービスと言える。Apple News+と同じように日本では提供されない可能性もあるのだ。アメリカで5月にスタートする。

サービス4:Apple Arcade
世界中で同時に提供可能となりそうなコンテンツの本命。現状のApp Storeは売り切り型アプリにとって非常に厳しい状態。大当りのアプリで大儲けの次の年に売上ゼロもあり得る継続性のないビジネスモデルになっていた。そんな中Appleが導き出したビジネスモデルはサブスクリプションによる安定的な収入の確保。数日前にGoogleが発表したストリーミング型のゲームプラットフォームとは違いこちらはダウンロードによるローカルアプリの提供。Apple Musicと同じようにサブスクリプション契約を解約すると端末から個々のゲームが消える仕様だろう。こちらもApple製品用に秋からスタートする。

サービス5:Apple Card
Apple Payの実績があったからこそ実現した独自のクレジットカード発行。取引情報は個人の端末内で管理されどこで何を買ったかはAppleも感知できない仕様になっている。基本はApple Payの中で使うクレジットカードだがApple Payが使えない通常の店舗対応のためにチタン製の物理カードも合わせて発行。Appleマークと登録者の名前しか印字されていないカードは不正利用はほぼ不可能である。他のカードとの大きな違いとして発行手数料などの一切の費用が発生しない上に決済に対してその日のうちにキャッシュバックがApple Cashの形で還元されることかもしれない。同時に米国内でSuicaをベースにしたと思われる方式でApple Payで今年後半に米国のいくつかの主要都市で、公共交通機関の乗車が可能になることを発表した。

結論:ハードは小出しにしてきたがサービスは一気に発表。どこかのようにとりあえず始めてみて雲行きが怪しくなったらやめてしまうスピード感はないかも知れないが覚悟を持ってのサービス開始なので途中で放り出したりしないのがApple。日本ではサービス開始されそうもないものも含まれているが10億台を超えるApple製品向けとそれ以上に多くのデバイス向けに展開可能なサービス。これで無風で終わることはないのである。

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