
アウトローのアウトドア(72):火器物語⑨:「香港さん」と二代目の話
昔、石原裕次郎の映画『太平洋ひとりぼっち』を観たことがある。
原作は1962年に冒険家の堀江謙一が書いた本だ。たった一人でヨットに乗り、太平洋を横断する話だな。
それを映画化したのが『太平洋ひとりぼっち』(石原裕次郎主演、市川崑監督)。
たしか、TVで一回だけ放送されたやつを観たんだと思う。ぼんやりした記憶だけどな。
一人でヨットに乗って、太平洋を渡る…凄いよな。マーメイド号だぜ。俺には絶対無理だ(笑)。
その航海の中で主人公が飯を炊くシーンがある。
その時に使ってたのが、たぶん…こういうやつだったと思う。

これは灯油コンロだ。下部のタンクに灯油を入れて、バーナー部分にはウィック(芯)がたくさん付いてる。
その芯が灯油を吸い上げて、それに火を点ける仕組みだな。
ただ、このコンロ、密閉度が驚くほど低い(笑)。
タンクは蝶ネジで止まってるだけで、横に倒せば確実に灯油が漏れる。
上部の本体もバーナー部分も、簡単に手で外れる作りだ。
もちろん、熱い時は直接触れないけど、俺は溶接工用の革手袋を使ってる。安いし便利だ。
「香港さん」の由来
このコンロ、香港製だったんだ。それで俺は勝手に「香港(ほんこん)さん」って呼んでた(笑)。
当時、「香港では普通にこういうの使ってるのかな…」なんて思ってたな。今思うと失礼な話だ。スマン、香港の人たち。
それでも、この「香港さん」はキャンプでよく使った。今は二代目にバトンタッチしたけどな。
二代目の灯油コンロ
これが二代目だ。

少し小さめのやつにした。コンパクトだから、こういうケース(バケツだ・笑)に入れて持ち運んでる。

なかなか良い感じだろ。

灯油コンロの良し悪し
この中国製の灯油コンロ、ネットのレビューは散々なものだ(笑)。
「密閉度が低い」「作りが雑」「説明書が日本語じゃない」…まあ、言われ放題。
正直、俺もあえてオススメはしない。でも、屋外で使う分には問題ないんだよな。
強風には弱いから風対策は必要だけど、灯油が安くて効率がいいから、朝から夜まで点けっぱなしでも気にならない。
ソロキャンプでサイトを離れる時は、無人になるのが心配で一旦消火するけど、それくらいだ。
安く火を使えて、まあまあの火力が出る。コツを掴めば、意外と頼りになるやつだ。
気をつけること
ただし、使い方が下手だと火力が弱いとか、鍋やフライパンの底が真っ黒に汚れるとか、そういうことは起こる(笑)。
煤だらけになるのが嫌なら、最初から他の火器を選ぶべきかもな。
でも、俺は灯油が好きなんだ。
だからこれもお気に入りの一つってわけさ。
(2025-01-26)
