アウトローのアウトドア(3):テントは我が家
家が落ち着く――そんな風に思うようになったのは、いつ頃からだっただろう。
記憶をたどると、ゆったりとした家の記憶には、不思議と他人の気配がない。
大抵は一人で過ごしていて、「家族」というものを意識したことはほとんどなかったのだよ。
もちろん家族はいるんだ。
それでも、家の記憶を振り返ってみると、彼らの姿が浮かぶことは少ないんだよ。
こう言うと「寂しい人だね」と思われるかもしれないね。(苦笑)
まあ、実際その通りなのだろうな。
「寂しい人」なのだと思う。
でも、それが俺の人生の基盤であり、アウトドアの楽しみ方にもつながっている。
俺の場合、キャンプも、ほとんどがソロキャンプだ。
たまにグループキャンプに参加することもあるが、そういう時は「自分のキャンプ」という感覚にはなりにくい。
やっぱり、一人で過ごす時間と空間が心地よい。
キャンプに欠かせないものの一つ、それがテントだ。
もちろん、テントなしでもキャンプはできるが、何か違う。
タープだけで過ごしたり、野宿をしたり、サバイバル感覚を楽しんでみたこともある。
けれど、それでは「家」にいるようなくつろぎは得られなかったね。
やっぱりテントがいい。
それが、キャンプ中の「家」だからかもしれないな。
テントは我が家…だから、
「テントを見たら、そいつが分かる」今日の教えだ。
例えば、俺が愛用しているテントのひとつに、North Eagle の「リップツールーム ドーム200 NE171」がある。
残念ながら、このモデルは今では絶版になってしまったが、気に入っている点がいくつもある。
このテントの特徴は、軽量なジュラルミン製ポールを使用していることや、アウターとフロアシートの耐水圧が3,000mmあることだ。
また、吊り下げ式のインナー構造と落ち着いた色合いのアウターも魅力的だ。
ガイロープはしなやかな素材で、夜でも見やすいアイボリー系の色をしている。
これも地味だが、実際の使い勝手の良さを支えるポイントと言える。
このテントは、少し広めの前室を持つソロまたはデュオ向けの設計だね。
ソロキャンプの時はインナーを使わず、コットを中に置いてシンプルに使う。
冬場には灯油ストーブを持ち込んで暖を取ることもある。換気さえ気を付ければ、これが驚くほど快適なんだ。
二人で使う時は、インナーを吊り下げて下にマットとカーペットを敷けば、かなり快適な空間ができるな。
10年以上使い続けているが、今でも現役で、これからも活躍してくれるだろう。
設営や撤収には少し手間がかかる。ガイロープが9本もあるからね。
だが、その分、しっかりと安定して張ることができ、風にも強い。
アウターの下部にスカートがないため、冬は少し寒さを感じることもある。
その一方で換気性能が良いという利点もある。
どんなテントにも、良いところと欠点はあるものだ。完璧なものなんてないよな。
このテントの良さは、大きさや軽さ、丈夫さに対して価格が手頃なこと。
それが、このモデルを選んだ一番の理由かもしれないな。
(2024-12-24)